パーティから追放された雑用係はスライム無限増殖スキルに目覚めた! レベルアップして見返すために永遠にスライムを作って倒してを繰り返したら、世界がスライムだらけに! だから、責任取って全て駆除します!
第4話 とある村で、とあるものを、道具屋で爆買い!
第4話 とある村で、とあるものを、道具屋で爆買い!
ナガズ市を出て3km程歩いた。
途中、イスタル村に通り掛かった。
「ちょっと寄りましょう」
タイガに誘われて村の中に入る。
イスタル村はこれといった特産品のない小さな村だ。
村民は農耕と小さな鉱山から採取される鉱物でほそぼそと生活している。
「本当ならこの村でのクエストも請け負う予定だったんですよね……」
『ランクF イスタル村を襲うスライム討伐』は、ブラウン達に横取りされてしまった。
「道具屋に行きましょう」
彼は道具屋の看板を指差した。
「あ、はい」
ちょっと……私の言葉を無視しないでよ……
「いらっしゃい」
太った口ひげのおじさんが店の奥から出て来た。
タイガは店を見渡し、こう言った。
「タイマツを100個」
うん、うん。
これから私達の目指すクエストは『ランクE マウ洞窟に巣食うウオータースライム討伐』。
洞窟での戦いになるからタイマツは必須だよね!
……って、100個!?
「なっ……なんで、そんなに!?」
驚く私に彼はキョトンとした顔でこう言った。
「あれだけスライムを倒したいって言っておきながら、スライムの攻略法を把握していないと……?」
「あ、いや……私っ、気合だけはあります!」
私は汗びっしょりになりながら、無知を弁解する。
だけど、タイガは呆れた様にこう言った。
「気合だけでは物事は解決しませんよ」
「はっ……はい……」
やっぱ、ソロはだめだなあ。
情報交換が無いから、こういう情報が一人だと入りずらい。
……って、彼もソロか。
タイガは自分でこういう情報を集めたんだろう。
すごいな……。
「スライムには基本的に火が有効です。まぁ、炎属性のスライムにはかえって火に油を注ぐことになるけど……。今回戦うウオータースライムには良く効きますよ」
表情一つ変えず解説するタイガ。
私はうんうんと頷き、メモを取る。
「あの……申し訳ないんだが……」
店主が申し訳なさそうに言うには、既にタイマツはほぼ売れてしまったとのこと。
残りは2つしかないこと。
「だ、誰がそんなに沢山!?」
今日はビックリすることが多すぎる。
疲れがたまって今日はぐっすり眠れそうだ。
……って、そんな場合じゃない。
「タイガさん、どうしてそんなにタイマツが売れたんでしょうか?」
「ん……」
彼は手に顎を当てて考え込んでいる様だ。
「買った人はキャンプファイヤーでもする気なんでしょうかっ!?」
彼は横目でチラリと私を見ると、こう言った。
「メディアさん」
「はい」
「僕の話を聴いていなかったのですか?」
「……はい」
怒られてしまった。
「私達と同じ様にスライムを倒そうとしている人が買い占めたんです」
「なるほど!」
タイガは店主に目をやった。
「じゃ、残りのタイマツ全部下さい」
タイマツ2個を手に入れ、店を後にする。
「じゃ、行きましょうか」
「はい。あっ……タイガさん」
「どうしました?」
「別の道を通りませんか?」
私の視線の先には、ブラウン達がいた。
つづく
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