第2話 異世界転移





 あれから俺はどうなっただろうか。意識が回復した俺だったが、目が開けられずにいた。その理由は、この鼻孔をくすぐる花のような匂い、そして頭には固くも柔らかいような感覚。そう、俺は誰かに膝枕されているのだ。しかも匂い的に女子だろう。これで男子だったら流石に吐くよ。


 ちなみに周りはとてもしーんとしている。多分ここにいるのは俺と膝枕している女子だけか……クラスのみんなが目覚めていないだけだろう。俺の予想は恐らく後者だ。


(うーん……でもずっとこのままでいるのもなんかなぁ……)


 俺はそう思い成る可く平静を装いつつ、起き上がった。


「う、うん?どこだここはー?」


 俺は動揺が隠しきれずめっちゃ棒読みになってしまった。


 そして俺は膝枕していた相手の方を見ると、なんとそこにはあの学校一の美少女と言われている姫野紗良さんではありませんか!


「あ、お、おはよう佐々木くん」


「お、お、お、お、おはよう姫野さん」


 俺は緊張のあまりまともに挨拶出来なかった。


(え、なんで姫野さんが俺に膝枕!?も、もしかして俺に惚れたとか……?いやいやそれは流石にないか)


 俺はそんなことを考えていたが、今の状況を思い出し今はそんなことを悠長に考えている時間では無いと思い、考えるのをやめた。


「そ、そんなことより、ここはどこ?っていうかみんな起きないけどなんでか分かる?」


 俺は周りを見渡して、見覚えのない全面石煉瓦で囲まれた部屋と、クラスメートが起きないことに不審に思いながら姫野さんにそう尋ねた。


「実は私も分からないの。それに、私が目覚めたのは10分くらい前で、仲良い友達を何人か起こそうとしたんだけど、全然目が覚めなくて……」


 姫野さんもここがどこでなんでみんなが目が覚めないのか分からないらしい。


「そうか……いったい俺たちはどうすればいいんだ」


 そう頭を悩ませていたら、突然部屋の端に魔法陣のようなものが現れ、頭に王冠を載せた王様らしき年寄りの爺さんと、俺たちと年齢がほぼ変わらないであろう銀髪ロングの美少女と、白いローブを纏った人達が10人ほどやってきた。


「おお!まさかあの召喚石が本物だったとは!」


 俺たちを見るなりそう叫ぶのは王様らしき爺さん。


(ん?召喚石?ってことはもしかして俺たちは……異世界転移した!?)




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次話でまた会いましょう(・o・)

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