第3話 王様




 異世界召喚。それは、元の世界で普通に暮らしていた主人公が、異世界人の手によって理不尽にも転移してしまうことだ。ラノベなんかでよく見るのは転移の際にチートスキルやらが貰えるものだ。


 俺は異世界召喚されたことに驚きながらも、内心ドキドキしていた。だって勇者として召喚されたなら自分にも何かしらのチートスキルがあるかもしれない。そう思ったからだ。


(どうせならそうだなぁ……剣聖とか大魔道士とかがいいな。なんか憧れるし)


 そんなことを考えていると、漸くクラスメートたちが起きた。


「ん?……お、おい!ここはどこだ!」


 そう叫んだのは、先程のバスで俺の後ろの席に座っていた黒沢海斗くろさわかいと。黒沢の声が大きかったのか徐々にみんな目を覚ましていく。クラスメートたちは皆目の前の王様らしき爺さんに驚いたり、そもそもここがどこか分からず困った者がいたりと様々だ。すると王様の後ろにいた白いローブを纏った人が1人前に出てきて、


「静粛に!」


 そう言い放つと体が途端に地面に押し付けられるような感覚になり、倒れ込んでしまった。そんなことされて黙っていられるはずもなく、クラスメートたちは悲鳴をあげている。


「もうよい」


 そう王様が言い放つと白いローブを纏った人が魔法を解いたのか体が楽になった。


 すると黒沢が突然、


「おい!急に何すんだよ!こっちはここがどこか分からなくて困っているって時によ!」


「な?王様になんて無礼な口の利き方」


 また白いローブを纏った人が前に出てきたところで、


「まあよい」


 王様がそう言いつつ、こちらに向かって頭を下げてきた。


「申し訳なかった。突然召喚した上にこのようなことをしてしまって……」


 王様の行動にその場が静まり返ってしまった。


 すると一緒に召喚された俺たちのクラスの担任の先生──羽島京子はしまきょうこ先生が口を開いた。


「すみません。私たちは何故ここに突然ワープされ、先程見えない何かに押し潰されたのですか?それにここは一体どこなんですか?」


「ああ、すまなかった。説明がまだじゃったな。今から順に説明していくので、聞いて欲しい。」



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読んでいただきありがとうございます!


感想などあればぜひお願いします!


次話でまた会いましょう(・o・)ノ"

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