T字路で別れた後、家に帰った僕はいつものように自分の部屋に篭っていた。いつもならゲームでもしているのだが、何故だか今日はそんな気分じゃなかった。


気分転換に部屋の掃除でもするか、そう思い掃除をしていると、懐かしい写真が残っていた。小学校3年生の時の写真だ。


写真の僕は作り笑いをしていた。


僕ともう1人写っているのだが、どこかで見覚えのある顔だと思った。小学校の時の同級生だし、良く考えれば当然なのだが。


しかし、つい最近も見たような気がする。

結局誰なのかは思い出す事が出来なかった。




スマホが鳴った。今日連絡先を交換した波多野さんからのメッセージだった。

絵文字が沢山あっていかにも陽キャ女子、

って感じのメッセージだった。


メッセージが長い、読むのに時間がかかったが、要するにこれから連絡とかすると思うからよろしく、という事だった。



僕は何となくすぐ返信すると

連絡が来るのをずっと待ってたのか、とか

波多野さんに思われるんじゃないかと思い、意図して少し間を空けて返信した。


するとすぐに返信が返ってきた。

ずっとスマホを見ているのだろうか、有り得ない返信速度だと僕は1人思った。


数回メッセージを交わすうちに、次第に話は結愛の話になって行った。

主にどうして結愛とあんなに仲良くなったのか、など様々な事を一方的に聞かれただけだった。


話の中で、波多野さんがふと教えてくれた。


「知ってる?結愛って中学生の時に両親が離婚しているんだよ。なんか可哀想じゃない?」


このメッセージを受け取った時、僕の身体に電流が駆け巡った気がした。





結愛の本当の苗字は羽田では無かったのだ。





そこに考えが及んだ時、思わず僕は考えるのをやめた。さすがに偶然が過ぎる。


もし彼女が本当にそうだとしても、どうして同じ高校にいるのか、謎は深まるばかりだ。



今日は寝れそうにないな、僕は思った。

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