第13話
「分かった。我が校の生徒会役員としていい方向へ導いてくれることを期待しているよ。
これでレクリエーションは終わりだ。お疲れ様」
時計を見ると少し時間は過ぎていたがレクリエーション終わりの時間だった。僕たちが挨拶をして校長室を出ようとすると「最後に一つだけ、これは約束のチケットだ。是非楽しんできなさい」と言われチケットを渡された。僕たちはお礼を言って受け取り校長室を後にした。
『祝日』とは、建国や独立などその国の歴史的な出来事に由来したり、功績にあった人物を称えて制定された記念日のことである(wikiより)。そんな『祝日』の過ごし方には、朝まで寝たり、はたまた徹夜をする人、早起きして趣味に没頭するなんて人もいるだろう。どんな過ごし方をするにしても自由であるはずだ。そう、自由なはずなのだ。
僕は母親、姉と三人でマンションに住んでいる。父親は僕がまだ小学一年生の時に交通事故で亡くなっていて、そこから母が一人で僕と姉を育ててくれている。姉は高校三年で僕と同じ高校に通っている。ある祝日の日の午前四時、外は日が昇っておらずまだ暗い。そんな時間に聞き覚えのある声が僕の頭に響き渡る。
『しんちゃん、早く起きて』
もちろん僕は寝ていた。それに怒ったのか、さっきよりも大きい声が頭に響く。
『しんちゃん、早く起きてー』
夢ではないことに気が付き僕は目を覚ます。目の前には僕の姉がいた。こんな時間に何かあったのだろうか。
「姉ちゃん何かあったのか?」
姉は少し不機嫌そうな顔をしている。
「しんちゃん、あの女誰?彼女?しんちゃんにはお姉ちゃんだけでいいの! 」
なんの話だろうか。女?こんな時間に会う約束なんてしていただろか。してないはずだが。
「今リビングにいる。早く追い出して」
ベットから降り、寝ぼけ眼でリビングへ向かう。こんな早い時間から誰だろう。リビングに着きテーブルの方に目をやる。するとそこには僕の母親と、茜さんが話をしていた。
「え、なんで茜さんがここにいるんだ? 」
なんだこの異様な雰囲気。なぜ家にいるんだ。
「あ!信也君おはようございます!」
「おはよう、おはようだけどおはようじゃない」
母親は呆れた顔をする
「あんた何言ってるの?そんなところでぼさっとしてないで早く支度しなさい」
え、支度?何を言っているのか一切わからない。
「待ってよ母さん、支度って何? 」
「何って、今日茜さんと遊園地行くんでしょ? 」
初耳だ。林先生もあまりの驚きで腰を抜かしてしまうレベル。そうして僕と茜さんは遊園地へいくことになったのである。せっかくの祝日が……
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