第3話
僕は彼女たちのもとへ歩いていく。知り合いなのか、それとも同じ中学校がったのかわからないが楽しそうに話している。う、あの輪に入りづらいな。
「お話し中のところごめん。同じ4班になった野掘信也です」
どうだ。最高の挨拶ではないだろうか。
「はじめまして野掘君!私は菅谷茜すがやあかねです。趣味は料理をすることと、飼っている猫の世話をすることです。仲良くしてくれるとうれしいです!」
なんだろうこの子すごくかわいい。身長は僕より少し低いくらいだろうか、髪は金髪ではあるもののギャルギャルしい雰囲気は一切ない。むしろ無邪気なお嬢様というのがぴったりだろう。胸のサイズはDか?
「茜さん料理が趣味なんですね!僕もお菓子作り好きです」
どうだろうかこの自然な返し。悠馬いわく『相手の話に共感すると良い』らしい。これで合ってるかわからないけどポイント高いのではないのだろうか。
「そうなんですね!わかってくれる人がいてうれしいです。もしよかったら今度クッキー焼いてきますので、ぜひ食べてみてくれませんか?」
「勿論、ぜひお願いします」
こんなかわいい子のクッキー食べれるとか、もうモテを研究しなくていいのでは?
茜さんとのコミュニケーションはよさそうだ。ありがとう悠馬。え―と次は、、、
あれ?この子どこかで見たことあるような、、
「うぇ、野掘信也ってもしかして沙紀が前に言ってた変態?」
「『うぇ』はないだろ『うぇ』は。しかもそれは誤解だ」
「二階も誤解もない!」
同級生の女子に冷たくあしらわれるのはつらいな。
「だから本当に誤解なんだって」
「何が誤解なの、今だってあたしにセクハラしてるじゃん」
「は?」
「そのヌメヌメしてるいやらしい目であたしの胸を見てるじゃない」
「み、みてない」
見てました。男の本能なんだって、それだけは許してください。
この子と話していると茜さんにまで知られてしまう。話を逸らさないと
「とりあえずいったんその話は置いておこう。えーと、君の名前は?」
「私は木口彩花きくちあやか。あんまり男子は好きじゃないから話しかけるのは最小限にしてくれると助かるわ。必要のない情報かもしれないけど私の趣味は読書よ」
「わ、わかった」
冷たい感じはあるけど、よく見ると可愛いな。黒髪で長髪、それにクールな雰囲気もある。身長は見た感じ164センチくらいかな。いわゆる『文学少女』のような感じがぴったりだろう。男子に興味ないとか言ってたけどいつか打ち解けられる日は来るのだろうか。
胸のサイズはCか?
「最後はあたしね。あたしは桜木 萌々(さくらぎもも)。趣味でテニスをやってる」
桜木萌々か。こいつは茜さんとは反対に少しギャルっぽい。顔も体系もいいのになんだかもったいないな、髪の毛の長さは肩にかかるくらいのいわゆるショートヘアーだ。そんなことより胸のサイズはBだろうか。二人に比べると小柄なイメージがある。二つの意味で。
「あんた今失礼なこと考えてたでしょ」
「考えてねーよ」
女の勘鋭すぎじゃないか?鋭すぎて正直驚いた。
「どうだか」
そんなやり取りを続けていると、先生がだるそうに教卓の前に立ってグループ活動についての説明を始めた。僕たちは近くの席固まに座り先生の話を聞いた。
気になる人もいるであろう僕の親友の悠馬は男子4人のグループだった。ある意味すごい強運だと思う。うん。
先生からの説明が終わると、すぐにグループでの活動が始まった。読者のみんなとも内容を確認しておこう
『グループ活動のルール
その一 各教室を周り教員それぞれからスタンプカードにスタンプを押してもらうこと
その二 スタンプを押した際に渡される問題を解く(他の班の人に聞くのはなしである)
その三 合計6カ所を周り6問とも解いたグループは最後に校長室へ行き校長からの最後の問題に答えること
』
というのが内容だ。校長問題を正解すると景品がもらえるらしい。先着3グループということもありなかなか狭き門なことがわかる。悠馬からもアドバイスもらったから、そのアドバイスを生かしながらたくさんアピールして好感度を集めたい。しかしこれは校外学習のレクリエーションの意味があるのだろうか。そんなことを考えていると
「あんたなに ぼーっとしてるのよ」
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