第2話

〇道(夜)

 光一、巧、友香の三人が並んで下校している。


巧「すっかり暗くなったなぁ」


友香「調子乗ってまたラリー始めるからでしょ。下校時間過ぎてたのに」


光一「でもなんだかんだで、待っててくれるんだよな、友香は」


友香「……夜道を一人で歩きたくないだけ。付き合わせたんだから送るくらいしなさいよ」


光一「はいはい。了解しました。マネージャー様」


巧「結局、友香は中学バドやらなかったな。高校ではどうするの?」


友香「……マネージャーやるよ。バドの」


巧「まじ?」


光一「じゃあこのトリオはまだまだ続くな」


巧「変わり映えしないねぇ」


 友香、棒読みな言い方で


友香「私をインターハイに連れてってー」


光一「はは、友香には似合わないな」


 光一、夜空を見上げて


光一「来月には高校生か」


巧「あっという間だったわ」


光一「うん。でも続けてきて自信がついた。僕は絶対」


巧「オリンピックで金メダル取る、だろ」


 光一、巧に向かって腕を差し出す。その手首には赤いミサンガが着けられている。

 巧、笑って手を差し出す。巧にも同じミサンガが着けられている。

 光一と巧、友香を同時に見つめる。

 友香、ため息をつきながら鞄を僅かに持ち上がる。そこにはやはり同様のミサンガ

 がつけられている。


光一「楽しみだな」


巧「おうよ」


 笑い合う、光一と巧。

 その様子を複雑そうに見る友香。

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