青春のかたち(短編)

KH

第1話

〇深山中学校・体育館・外観(夕)

 バドミントンのシャトルを打つ音が響いている。

   

〇同・体育館(夕)

 コートでバドミントンをしている由良光一(15)と森丘巧(15)。そのプレーは

 本格的なもの。

 スコア番をしている能美友香(15)

 スコアは10―2と光一が圧勝している。

 光一のスマッシュが放たれ、巧は取れず一点が入る。


友香「はい。光一の勝ち」


 友香、光一側のスコアを11点にする。

 巧、肩で息をしながら大の字に倒れて


巧「くそー、負けた」


光一「だんだんと楽に勝てなくなってきたな」


 光一、全く息を切らしていない。

 友香、それを冷めた目で見ている。

 巧、半身を起こして


巧「そうだろ。練習の成果が出たな!」


友香「幼稚園のときからずっとやってるんだから上手くもなるでしょ」


 友香、スコアを片付け始める。

 巧、落ち込んだように


巧「同じ時期に始めたのに、この中学三年間で俺は平凡。光一はジュニア日本大会二位だもんな」


光一「伸びは人それぞれだってコーチも言ってたじゃんか。それより高校に入ったらの約束覚えてるよな」


巧「当たり前よ! 高校ダブルスで天下を取る! 俺が目指すところだからな」


 光一と巧、歩み寄って腕をがっちりと組む。

 友香、片付けながら


友香「片付け手伝え」



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