第13話 ソツギョウ
アラームが鳴り目を覚ました。
今日、最後の制服に袖を通していく。
三年前の気持ちにそっくりだった。期待に胸を膨らませたあの日と同じ。
違うのは袖口から見える手の範囲が広くなったくらいだ。
いつもよりどこか背筋が伸びていた。
学校に着き、ここ居る人も今までのように当たり前のように会えないと思うと少しずつ寂しさが増している。待ち合わせもしくは、偶然でもない限り会えない。
卒業証書を手にし、校門の前で二枚写真を撮った。
制服を脱ぐのに少し手こずった。いや、手こずった訳では無い。
ためらったのだ。
脱いでしまったら、もう正当な理由で着る事ができない。
そう思うと、いつもより脱ぐのに時間がかかった。
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