第12話 ジュケン
待ち望んでいた受験当日を迎えた。いや、別に受験を待っていた訳でない。これは普通に生活していれば避けては通れない道だ。入学して一年経った時、進路票を書いた。そこにいくために勉強して来た。
志望校に着き、辺りを見渡す。
もしかしたらと数人の女生徒に目を向ける。この学校に集まっている女生徒の中に手紙の本人が居ると思うと胸の鼓動は早くなっていた。
しかし、顔を知らない為、それは想像だけで終わった。
決められた席に座り、今まで勉強してきた成果を答案用紙に書いていく。
頭に三年間溜めた知識のダムが指先から放たれていく。受験は昼食を食べた後、二科目ある。終わった後の科目など今はもう頭になかった。その分次の科目に向けてまた溜めていく。
頭もお腹も満たし、また席に着いた。そして、また指先から放つ。あと一科目。
予定通りに時間が過ぎ、全ての行程が終わった。
頭は卒業後の事に向っていた。
もう勉強しなくて良い解放感からか、家までの道程が短く感じた。
三年間の疲労が一気に出たのか家に着くなりすっかり寝てしまった。
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