第6話  カエリミチ

いつも通り学校が終わり、同じ景色の通学路を自転車で走らせて行く。

 春には緑に染まる木々も今は枝だけの姿になっている。季節が巡れば、また彩り豊かな景色をみせてくれるだろう。

 でも、その頃には自ら赴かない限りその景色は見る事が出来ない。

 春になれば、こことは違う景色に出会えると思うと、心は自然と踊っていた。

新たな世界の扉を開くというのは不安よりも希望の方が多く詰まっていた。

 海沿いを走り、短い赤い橋を渡り、いくつかの曲がり角を曲がり家へと続いて行く。


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