第38話 奴隷解放

計画実行の日まで残り3日。

それぞれが自分の力を最大限出せるように力をつけていた。


そして当日



「ここが鳶田の家か…」


神無達はその大きな家を見て驚いていた。



「計画通りに行くよ。まずは奴隷を逃がす、それから鳶田とその家族を探す…みんな頑張ろうね!」


美波はそういうとニコッと笑った。


「よし、入るぞ。」


廃絶の言葉に続き、他のメンバーも中へ入っていった。



扉を開けるとそこには長い廊下と、たくさんの部屋があった。

ここには鳶田とその家族が居るはずなのに、部屋の明かりも見えない、物音1つしないという事に不気味さを感じた。


「ここを右に行くと、地下へ続く階段がある。俺に付いてきて。」


湯地を先頭にその方向に歩いていく。



「ここが…地下?」


鉄の螺旋階段をおりるとそこには暗くて、ひんやりとした空気が広がっていた。

ライトを付け、寒さに耐えながら奥へと進んでいくと、ひそひそと話す声が聞こえてきた。


「何この声?」


そういうと都は美波の腕を掴んだ。


「その声は、海翔かいとの声だな。海翔ー!聞こえるか?」


湯地は奥を見つめ、そう言った。


「湯地だよな?聞こえてるよ〜。」と奥から声がした。


「奴隷場はすぐそこだ。さっさと行こう。」


そういうと湯地は笑顔を見せ、スタスタと歩いて行った。




牢獄の者は全員痩せ細っていて、薄着でとても寒そうだった。

この大きな牢獄にたくさんの人々がいる光景を見て、震える者もいた。


「鍵は俺が持ってる。昨日のうちに忍び込んで奪っておいた。奴隷には夜ご飯しか与えてないから、いつ奪えるかどうかはすぐわかるんだよ。」


湯地はそう言うとガチャっと鍵を開けた。


ワカトキは「俺に付いてこい!外まで一緒に行くぞ!」と言って、先に行ってしまった。


他のみんなもそれに続いて外へと歩いて行った。



「よし、これで全員出たな。」


湯地はそういうと扉を閉めて、出口へと歩いて行った。



「みんな、外に出たな!海翔はここに残って、それ以外の奴隷は帰っていいよ。もう、奴隷生活は終わりだ。じゃあ、またどこかでな!」


そういうと、湯地はニコッと笑い、手を振ってもう一度中へと入って行った。

狂乱メンバーと美波達もその後へ続いて行った。

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