第35話 美波の計画と廃絶の決意
冥利神社に集合という連絡が届き、家を出た湯地達。
神社に着いた頃には仲良く笑いながら話している廃絶と美波の姿があった。
「仲良いのか、2人は!」
ニヤニヤ笑いながら話しかけるワカトキ。
「さっき仲良くなったばっかりなんだよな!美波は凄く良い奴なんだよ!」
ニコニコ話す廃絶に、「良い奴ってことはもう知ってる!」と笑いながら話した。
「それはそうと、お前らやっぱり繋がってたんだな。何となくわかるよ。美波について行きたい気持ちが。」
廃絶は少し寂しそうに、でも少し嬉しそうな顔をした。
「そろそろ私が考えた計画について話していいですか?」
美波は言いたくてうずうずしている様子だった。
「いいぜ!ドンと来い!」
ワカトキと廃絶は口を揃えてそう言った。
「私の計画はまず、鳶田の家に乗り込むの。そして奴隷を外に出して、鳶田のパパとママを反省させるの!」
美波はそう言うとグッとポーズを見せた。
するとワカトキはワハハと笑って笑顔を見せた。
「さすが美波!勢いがすごいな!反省させるってどんな風にだ?」
ワカトキはまだ笑いが止まらないようでニコニコとしている。
「その人達を奴隷にするとか?そんな訳ないか!」
都は美波の顔を見て奴隷にすることは無いと感じた。
「とりあえず鳶田の家に入り込むルート、捕まっている奴隷を逃がす方法を考えてほしい。私一人じゃ考えつかないよ。」
美波は少し、しょぼくれているように見えた。
それを見た湯地は美波の肩をパンっと叩いて言った。
「俺は鳶田の家に行ったことがあるから大体の家の中は把握してる。だけど、奴隷を逃がすための鍵の在処まではわからない。鍵を開けることなんて滅多にないからな。だから、鍵の在処はみんなで手分けして探そう。それしか道はないと思う。頑張ろうな!」
「湯地…」
美波と湯地は数秒間見つめ合ったが、都の見えない圧によりそれは終わった。
すると、廃絶は「みんな聞いてくれ!」と視線を集めた。
「俺は狂乱の奴ら全員にちゃんと話して協力してもらう。もう隠し事なんてしないって決めた。絶対に終わらせような!」
廃絶の大きな声が神社中に響いた。
その声はそこにいた全員の心に届いたものになった。
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