第27話 恐怖を感じても前へ

「じゃあ。早速話す。が、近寄るなよ、触るなよ。俺は少々潔癖症なんだ。」


「はい!」


「よし。なら、場所を変えて話そう。後ろの2人もついてこいよ。」


キョトンとしている2人に美波が肩をポンっと叩く。


「ほら、行くよ!」


そう言って歩く美波を2人が止める。


「ちょっと!これは罠かもしれないよ!もしかしたら捕らえられて殺されるとか…」


都が震えながら美波に話す。


「俺も罠だと思う。まぁ俺がいるから大丈夫だと思うけどな!」


じゃあ、なんで止めたのかとギロッと睨む都。


「罠でも、この人の事知れるかもしれないでしょ!だから、私は行くよ!」


タッタッタッ


「じゃあ!俺も行く!」


「私も!」


3人は鳶田について行った。


「あっ、あのー。僕はどうすれば?」


「あっ、存在をすっかり忘れていた。お前はもう帰れ。それと、もう俺の目の前に現れるな。距離が近すぎる。」


「次からはちゃんと距離を取るんで、勘弁してください!」


ゴキゴキ


鳶田は首の骨を鳴らし、男に近づいた。


「次からだと?そう言う奴に、次は無いんだよ。」


その時の鳶田の目はあまりにも恐怖で美波達もその場を動くことが出来なかった。


「すっ、すみませんでしたー!」


そう言うと男は走ってどこかへ言ってしまった。


「あっ。そういえば名前を伝えてなかったな。俺は鳶田 怪。凛名 美波、班日 都、多賀 神無。3人ともよろしくな。」


(なんで名前を…)


3人は名前を伝えいなかった。

名前を呼び合ってはいたが、フルネームでは呼んでいない。

なぜ今日会ったばかりの人が知っているのかと思うと恐怖を感じた。


「ほら、さっさと行くぞ。」


震える足を前に出し進んでいく3人であった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る