第10話 神無のこと狂乱のこと
「今俺は狂乱の3群にいる。」
「そうなの!?」
美波は驚いた。
今日は驚くことばかりだと思った。
「狂乱にはリーダー、副リーダー、1群、2群、3郡、4郡がある。リーダーは知っての通り廃絶、副リーダーは緋色。1群には3人いて、そいつらの力をを合わせたら廃絶と互角になるくらい強い。2群には5人いてそいつらの力を合わせたら緋色と互角になるくらい強い。俺がいる3郡には10人いてやっと緋色と互角になるくらいなんだ。で、4郡はその他って感じで90人いる。」
2人は数が大きい集団なんだと改めて感じ息を呑んだ。
「そうなんだ…ね。そんなに狂乱って強くて、大きいんだ…」
湯地に会うためにはこの集団と関わらなければいけない。
そう思うとどうしても不安になってしまう美波。
「美波!私がいるから大丈夫!」
不安げな表情を見た都が笑顔を見せながらそう言った。
「そうだ!俺もいるから大丈夫だ!」
「2人ともありがと!!こんなところで止まってちゃダメだ!!早速だけど湯地に会うためにはどうすればいいか考えよう。」
「あぁ!!」
バシッ
「声大きすぎ。」
「ごめんな。」
美波はこの2人のやり取りにもう慣れた様子だった。
「奴隷と会うため1番手っ取り早いのは集会に来ることだ。延期したから今週中にやるという話になっている。」
「そうなんだ。やっぱりそこしかないのか。」
都はまたあの場所に行き、今度は狂乱の大勢の中に紛れ込むことを考えると気が重くなった。
「とりあえず美波ちゃん。連絡先交換しておこう。何かあった時には便利だろ。」
「そうだね!」
ポケットからスマホを取り出し連絡先を交換した。
その姿をじっと見続けている都の顔はあまりにも不機嫌だった。
「美波に変なこと送ったら殴るだけじゃ済まさないからね?」
「わかってるよ。」
(これ以上嫌われて、俺から離れていったらズカズカ狂乱に突っ込んでいきそうで怖いからな…)
「で、作戦はどうするの?」
都は椅子に座り直しながら言った。
「うーん…都は何かいい案がある?」
「思いつかないなぁ…」
「そうだよね。神無は何かあるの?」
「あるにはあるよ。」
2人は顔を見合わせてからもう一度神無の方を見た。
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