第9話 元気な男、神無

「都、俺を呼び出してなんだ?付き合ってくださいって告白か?」


都に呼ばれて公園に来た美波。

そこには見知らぬ男が立っていた。

どうやら、その人は都の知り合いのようで殺気から都をからかっている様子だ。


「何言ってんの?そんなわけないでしょ。馬鹿じゃない?」


都は呆れた様子。


「なんだ!違うのか!ハハッ!ハハッ!」


(この人一体何なの?都の友達?元気な人みたいだけど…)


「今日は狂乱について教えてほしくて来たの。」


その男は都を睨むとそっぽを向いた。


「そう簡単に教える訳にはいかない。」


「じゃあ何をすれば教えてくれるの?」


「俺を仲間に入れろ。」


当然の言葉に2人は驚いた。


「俺はこう見えて色んな人の事見てるんだよ。都は美波って子の事になると何でもしちゃうってことも知ってるし、今は狂乱のことに首突っ込んでることも知ってる。お前が美波だな?」


「そ、そうです。」


(この人ちょっと怖いな。)


男は美波に近づく。


「俺は多賀たが 神無かんなだ!よろしくな!」


「!?」


美波は驚きのあまり言葉も出なかった。


「うん?どうかしたのか?」


「いや、突然の自己紹介すぎてびっくりしてしまって…」


「ハハッ!ハハッ!そっか!とりあえずよろしくな!」


「はい…よろしくお願いします。」


バシッ


「痛えな!都何すんだよ!」


「なんで仲間になったみたいになってんの?」


「だって狂乱のこと教えて欲しいんでしょ?教えるからもう仲間だよね??」


「こいつぅ!美波はそれでいいの?」


「私は狂乱のこと知れるならいいよ!全然!」


「だってさ。美波に感謝してよ。あと、美波に触れたら殺すからね!!」


都は怖い笑顔を神無に見せた。


「わ、わかったてるよ!そのくらい!」


「ならいいけど。」


そういうと元の表情に戻した。


「ところで2人の関係は何ですか?」


「大学の友達ってとこかな?いや、友達にもしたくないかな。」


「酷すぎないか…俺そろそろ泣くよ…」


(なんか面倒臭い人だな。)


「そうだ!美波ちゃん!同い年だからタメで話してよ!」


(切り替えが早い。)


「うん。わかった。」


「かーんーなー?」


「そんなに怖い顔しないで…わかってるから…」


「ならいいけど。」



キャッキャッ


「子供が来たから別のとこで話そ!俺ん家行こ!」


「そうだね。」


やっぱり都は神無に対して適当な言葉を返しているように見える。



着いたのは一軒のアパートだった。


「ここだ!入って!」


「お邪魔します。」


2人はそう言いながら中へと入った。



「早速話し始めるか。」


神無はソファに腰をかけた。


美波達も椅子に座った。

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