第5話 冥利神社へ
「絶対、決闘場所に行ったりしちゃダメだからね!」
美波は都に言われてハッとした表情を見せた。
「バレてたか…」
「当たり前だよ。」
「わかった。行かないよ。」
都はまだ信じられないのか美波を見つめる。
「大丈夫だよ。安心して。」
「よし、わかった。信じるよ。」
「ありがと!」
2人はその後、手を振って別れた。
美波は気になるものがあればすぐに調べたくなる性格だ。
それ故に今回もあの場所に行こうとしていた。
都に止められていたが、その衝動は抑えられず、約束の時間に辿り着いてしまった。
(冥利神社か。久しぶりに来たな。)
美波は懐かしそうに辺りを見渡した。
(ここにいればきっと見つかることはないかな。)
大きな気を見つけたのでそこで様子を見ることにした。
(リーダーの廃絶って人はどんな人だろう。やっぱり怖そうな人なのかな。てか決闘をすっぽかされたら殺されるよね…)
美波は殺されることを考え身震いした。
あの計画は実行するべきではなかったのでは無いのか。
都まで危険な目に遭わせてしまったらと悪い方向へと想像していた。
色々考えすぎた所で男の人の声が聞こえた。
「約束の時間なのにいねぇじゃんか!」
声のした方を見てみるとそこには金髪の男がいた。
(あれが…廃絶なのか…)
「もしすっぽかしてたらタコ殴りにしてやろうかな!」
(うん?この人本当に廃絶なのか?めっちゃ独り言が大きいし、体がめちゃくちゃムキムキって程でもないし。でも目の下にバツ印の傷があるから狂乱なのは間違いないだろうけど…)
「あ?誰だお前?」
(誰か来たみたいだ。こんな所にいたら殺されちゃうよ。早く逃げて!)
「私は班日都。この名前どこかで聞いたことあるでしょ。」
(え?都?まさか本当に決闘する気だったの!?止めないと!!)
美波が歩き出そうとした瞬間、驚きの言葉が聞こえてきた。
それはあまりにも衝撃的でその場に立ち尽くしてしまうほどのものだった。
「もしかして、俺が狂乱に入って初めて殺した奴の妹か?」
「そうだよ。なんで狂乱を作ったお兄ちゃんを殺したの!」
(え?どういうこと?初めて殺した奴の妹?まさか…)
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