第3話 狂大眼乱について

強大眼乱

通称「狂乱」

この街1番の喧嘩集団

トレードマークは目の下にあるバツ印の傷


「今、私が知ってるのはこのくらいかな。」


近くにあったペンとノートを取り、書き出した。



カチッカチッ


美波はパソコンを使って狂大眼乱について調べ始めた。


「書いてあるのは、暴力事件のこと、それと…」


美波は驚きのあまり言葉を失った。


そこには、仲間割れをして初代リーダーが殺されたこと、そしてそれをきっかけに、今まで人を殺すことは無かった狂大眼乱から人を殺す事件が出てしまったことが書かれていた。


(初代リーダーが殺されたのか…)


そんなことを考えながら、久々に聞くセミの鳴き声にもうすぐ夏なのかと感じていた。


結局その後も調べてみたが他の事は何も書かれていなかった。



翌日、学校の支度をしていると都から電話がかかってきた。


「もしもし、美波?」


「美波だよ。どうしたの?」


「今日、狂大眼乱の集会があるらしくて…」


「そうなんだ。そこに湯地は来るの?」


「…」


「どうしたの?」


都は少しだけ頭を整理して口に出した。


「その集会はただの集会じゃなくて、奴隷も含めた集会でね。年に数回しか開かれないの。」


「じゃあ湯地が来るんだね!」


「来る可能性は高い。でも、そこには行かないでほしい。」


「危険だから?」


「危険だし、そこに居合わせた人はみんな奴隷にされるから。」


「そうなんだ。でもそこに行けば会えるんでしょ。」


「でも…」


「もし見つかっても奴隷にされて会えるかもしれない。そこから一緒に抜け出せば…」


「奴隷にされたら絶対に抜け出せない。」


「だよね…」


「私が今日電話したのは、その集会を無くせるかもしれないからなの。」


「集会を無くす?そうしたら湯地に会えないんじゃ…」


「無くすって言うよりか延期されるって言った方がいいかな。」


「延期?」


「うん。」


都は作戦を話し始めた。

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