第6話私は妹にしかれる

 先生の言葉でみんなゾロゾロと席を立ち帰り支度を着々と進めているではないか。

 こっそりと富良野君の方を見ると、富良野君も帰り支度をしていた。

 もしかしてこれはチャンスなんじゃないのかな。

 中学の時とまた一緒だねと声をかければ、自然と会話が成り立つような気がするけどな。

 でもみんなが見てる前で、そんな恥ずかしいことは出来ないし、なにより富良野君に失礼な態度この前とっちゃったし。

 きっと恨まれてるだろうし。

 やめとこ。

 私は鞄を持ち教室を後にした。


 あれ後ろから誰か付いてきてる。

 校門を出た辺りから微妙に人の気配がするんだけど。

 あれもしかしてストーカー。

 後ろ振り向いたらいきなり変なことされないよね。

 怖いけど勇気をだしてみたほうがいいよね。

 私は振り向いたらそこには誰もいなかった。

 よかった勘違いか。

 

「お姉ちゃん今日新しい出会いあった?」

 妹の皆藤南かいとうみなみが私に詰め寄ってきた。

「あったよ。新しいというか、前から一緒にいた富良野君がいた」

 南はあんまり驚いていない様子だった。

「あれもしかして富良野君がいること知ってた?」

「もちろん」

「なんで教えてくれないのよ」

「秘密にしといた方がお姉ちゃんの反応面白いからに決まってるでしょ」

 なぜかは知らないけど富良野君と妹の皆藤南は仲がいいのだ。

「それで富良野君とはなにか、進展あったの?」

「とくには」

「とくにはって1番最初が1番かんじんなんだよ。中学生の話しとかすればよかったんじゃあないの。本当にもう」

「そんなにまくしたてなくても」

「お姉ちゃんが、ガンガンいかないから」

「まだはじまったばかりだからこれからだよ」

 

 教室に入るとチラチラと生徒が座っていた。

 窓際の1番後ろの席が富良野君がいる場所。

 私が教室に朝入るときに唯一見れるチャンスなんだけど、まだ………来てないか。

 もうちょっと遅く来ればよかった。

 あーでもそうだ。

 昨日もそうだったけど早く来て待っていればと思ったけど、後ろ側の入り口から入ってきたら終わりだ。


「それじゃあ今日は委員会を決めたいと思います」

 やってしまった。

 富良野君今日後ろから教室に入った。

 絶対に今度から時間ギリギリでこよう。

 委員会を決めるってことはもし一緒の委員会になったら、あんなことやこんなことが。

 いけないいけない。

 あんまり想像してたらのぼせてきた。


 さてさて黒板に委員会が書いてあるけど、めぼしいものは名前が書いてあってうまっていた。

 まさかとは思うけど………ふぅどうやら富良野君の名前はまだ書いてなかった。

 ちなみに残っている委員会は図書委員と飼育委員会だ。

 

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