第8話 問題児の集まり
凛怜side
俺の自己紹介を終えた後に続いて、紅葉が教室に入ると。
紅葉「同じく担当の黒葉 紅葉よ。とりあえず、凛怜に攻撃したあなた、死ぬ?」
と、物騒な事を言い始めた。
凛怜「紅葉、止めろ。」
俺は本当に殺しそうな勢いの紅葉を止める。
ファル「な、なんなんだあんたら…。」
凛怜「非常勤講師だ。凛怜先生と紅葉先生と呼んでくれ。」
ファル「あ、ありえねえ…。」
何か言ってるが、俺は無視し、部屋を改めて見た。
とてもじゃないが、綺麗とは言えない。
学習環境どうなってやがんだと、文句を言いたくなるレベルで、汚い。
特殊クラスの人数は15人しかいないが、それにしたって待遇が悪すぎるだろ…。はぁ、とりあえず。
凛怜「ファルビル、席に座わってくれ。」
ファル「はぁ?あんたの言うことなんざ聞く義理はねえよ!」
凛怜「文句はあるだろうが、まとめて後で聞いてやる。とりあえず、一旦座れ。」
ファル「あんたの命令に従うわけねえだろ!」
紅葉「…やっぱり殺っとくべきかしらこの子」((ボソッ…
紅葉物騒なことを呟いている、このままじゃまずいなと思い、やりたくは無いが。
凛怜「最後だ、座れ。」
ファル「」チッ
少し殺気を出して、言うと舌打ちはしたが、従って、自分の席に座った事を見届け。
凛怜「それじゃ、まずお前たちに自己紹介をしてもらう。」
そういうと、少し、驚いたように言う。
凛怜「まぁ、今更だとは思うが、俺も就任したてなんだ、多めに見てくれ。とりあえず、名前と好きななんか適当な奴にしよう。」
紅葉「凛怜、それは適当すぎるわ。無難に名前とか後は能力とかでいいんじゃないの?」
凛怜「んー、まぁそこはおまかせだな。とりあえず名前と好きな物は絶対だ。えーと、じゃあ、まずはお前からだ。」
と、俺は向かって左側の1番前の席で青髪の女の子を指名した。
とても、気品がある動作で席を立ち。
セーラ「セーラ=ストライド。好きな物、特にない。」
と、興味が無いと言った感じで、簡単に自己紹介をして、直ぐに座る。
凛怜「はい、ありがとう、これからよろしくな。次、後ろの子よろしく。」
次に指名したのは、金髪のいかにもお嬢様風の女の子だ。
シャロン「シャロン=ヴァルクレアですわ。私はあなたを認めておりませんので、話しかけないでくださいまし。」
と、拒絶の一言を添えて自己紹介をされた。
まぁ最初はこうなるだろうと思ってたし、紅葉はヴァルクレアの事をすごい顔で睨んでいるが、スルーしておこう。
凛怜「はい、ありがとうな。次の子よろしく。」
ファル「ちっ、ファルビル=ガーリアン。」
赤髪のファルビルは舌打ちをしながらも、自己紹介はしてくれたので、まぁとりあえずはそれでいいか。
凛怜「ありがとうな、はい次。」
レイン「…レイン=リングストン。僕の事はほっといて。」
この黒髪の男の子も拒絶してくる。まぁ信用出来ないんだろうからしょうがないか…。
凛怜「ありがとう、次の子。」
サーシャ「サーシャ=メルシーだよ!好きな物はお肉!よろしくね!」
茶髪で、すごい元気な女の子だな。うんうんこれくらいがちょうどいいよな!
凛怜「お、元気があってよろしい、これからよろしくな。次の子よろしく。」
ベルニカ「べ、ベルニカ=ミューズでしゅ!サーシャちゃんと幼なじみです。好きな物は特に…でしゅ!」ハワワ
凛怜「緊張するよな、分かるぞ。頑張ってくれてありがとうな。」
ベルニカ「はわわ、はい!」
サーシャ「やったね!ベルニカ!」
ベルニカ「うん!」
ふむ、なんだか緊張気味だが、こう庇護欲が湧いてくる子だな。髪がピンク色も個人的にグッジョブ!
紅葉が睨んでる気がするが、無視だ!
凛怜「それじゃ、次の子よろしく。」
セツナ「私はセツナ=リコールだよ。好きな物は特にないけど、凛怜先生の事が気になるね。」
そう言った瞬間、紅葉がニコニコと何を考えているか分からない笑みをしている黒髪のリコールを睨みつけた。
凛怜「ん?俺の事?」
セツナ「そうそう、だからこれからよろしくね?」
凛怜「あ、あぁよろしく。」
それから、一通りの紹介を終え、あと2人になった。
凛怜「あと2人だな。それじゃ、よろしくな。」
そういうと、2人が立ち上がり。
リン「私達は双子で姉のリン=フィオーリだよ!よろしくね!凛怜に、先生と紅葉先生!」
レイ「…妹、レイ=フィオーリ。よろしく先生。」
凛怜「…あぁ、よろしくな。これで全員終わったな。」
とりあえず、自己紹介を通して、問題児だらけなのは目に見えて分かった。
ほとんど子が、好きな物を言ってくれなくて少し凹んだが、切り替えていかないとな!
とりあえず、俺たちが最初にやる事は決まっていた。
凛怜「よし、お前ら早速だが、掃除するぞ。」
生徒達「…は?」
凛怜「だから、こんな汚ねぇ場所だと病気になるだろ?だからまずは、掃除するぞって言ってんだ。」
こんな環境で学習なんて出来るわけがないし、みんな苛立つのもこの環境が原因の1つじゃねえかと思っている。なら、掃除をして少しでも綺麗にする事が先決だろう。
ファル「…嫌だね。」
シャロン「わたくしもですわ。なぜやらなければなりませんの?」
レイン「…ほっといて欲しい。」
セーラ「…くだらない。」
やっぱそう来るよなぁ…。紅葉の様子も少しピリッとしてるように見える。んー、なにか打開策ねえかなぁと考えていると。
ファル「言うことを聞かせたかったら、俺と勝負しろ!」
シャロン「あら、いいですわね。わたくしも参戦致しますわ。」
凛怜「分かった。その勝負内容は?」
ファル「俺達と戦え!勝ったら、言うことを聞いてやる。シャロン達もそれでいいよな?」
シャロン「ええ、構いませんことよ。」
レイン「巻き込まれるのは、やなんだけど…。」
セーラ「…。」
2人はやる気で、2人は嫌そうという対照的だが。
まぁ、先生はそれに応えないとな。
凛怜「良いだろう。ちょうど実力も見たかったし。」
ファル「あとで、泣いて喚くなよ!後悔させてやる!」
凛怜「はいはい、じゃあ1時間後だ。会場はこっちで用意しておく、それでいいか?」
ファル「おう、かまわないぜ。」
シャロン「ふんっ、命令に従うのは癪ですが、構いませんわ。」
凛怜「それじゃ、また後で。」
そう言って、俺と紅葉は教室を後にした。
紅葉「…良かったの?あんな挑戦受けて。」
凛怜「あぁ、正直めんどくさいが、あいつらの実力を見るいい機会だしな。」
紅葉「…そう、なら何も言わないわ。」
紅葉との会話を終えると、この後の勝負を思って、前途多難だなぁと考えながら、俺は勝負の会場をセッティングする為、エリスに話をしに行くのだった…。
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