第3章 黒葉とマフィア学園
第1話 変態はいい事を運ばない
凛怜side
やほ!毎度おなじみ凛怜だ。
今日はいい天気だよなぁほんと。もう槍でも降れやボケってレベルだね!(意味不)
え?頭いかれたの?って?そう思うよな。うん分かる!
誰に言ってるんだろうね俺!よーしじゃあ現実逃避は継続しつつ、目の前の惨状を見てみよう。
エリス「久しぶりの凛怜たん。相変わらず可愛いよ凛怜たん。」ハァハァ
うん夢じゃ無いね!
俺を見て息を荒くしている変態がいるってカオスだと思わない?
何なのこいつ。いやほんと勘弁して欲しい。
瑠衣達なんて、ゴミを見る目で見てるよ?
紅葉に至っては、あ、これ殺る目だわ。俺が指示したら一瞬で殺りに行くやつだわ。
……はぁぁぁぁぁぁ。
凛怜「それで何の用だ?エリス=リードベルグ。」
長いため息の後、俺はそう言った。
エリス「なんで、そんなに他人行儀なの?私と凛怜たんは友達じゃないか!」
凛怜「くっっそ、認めたくないんだが?」
エリス「え?酷い、泣いちゃう」シクシク
うっ、こいつ見た目だけなら男が寄ってきそうなのに、なんでこうも残念なんだよ…。
エリス「いつでも、凛怜たんの事、抱きしめていいって言ったじゃない!あれは嘘だったの?」シクシク
凛怜「そんな約束をした覚えはない!」
とんでもない事を言ってきた。紅葉達がそれぞれ、無言で武器を出し始めた。
紅葉「凛怜、こいつ殺っていいわよね?」
瑠衣「僕も加勢するよ。」
愛凛「無論、私もだ。」
一葉「私も参加するとしようか。」
殺気がより一層強くなる。しかし、ここでドンパチされるのは凄く困るので。
凛怜「気持ちは凄くわかるが、やめておけ。」
そう言うと、紅葉達は抑えてはくれているが、殺気が抑えきれていないようだ。
だが、それもこの変態によって、壊される。
エリス「貴女達まだいたの?てか、凛怜しか要らないんだけど?出てってくれない?」
凛怜「な!?ばか!」
幹部s「「「「…潰す!」」」」
一触即発とはこの事を言うんだろうか…。
エリス「大体、私は凛怜以外興味はないの。それが分かったら、とっとと、出てってもらえるかしら?」
エリスは元々、他人には興味が無い、むしろ自分含め、全ての人間はゴミだと思っているような奴だった。しかし、何故か俺にだけ興味を示している。
なんでこんな変態になっちまったんだよこいつ…。
凛怜「…それで、用があって来たんだろ?」
俺は、この空気を変えるため、エリスに用件を尋ねる。
エリス「あ、そうだった。その前に2人で話したいから、この人たちを退けてくれないかしら?」
紅葉「な!?そんなこと認められないわ!」
エリス「貴女には聞いてないの。凛怜、お願い。」
エリスが凛怜たんと呼ばないという事はそれほど重大な事だってことか…。ふむ
凛怜「お前達、少し2人にしてくれ。」
瑠衣「僕は反対だよ!こんな変態となんて!」
凛怜「まぁ、落ち着け。大丈夫だ、危なくなったら、お前たちを呼ぶ、これでいいだろ?」
と、言うと皆、渋々ではあるが、武器を収めて部屋を出ていき、最後紅葉が。
紅葉「いい?絶対なにかされそうになったら、私たちに言うのよ?」
凛怜「分かってるさ。」
と、言って、俺は返事をし、今度こそエリスと2人だけになった。
凛怜「さぁ、俺たちだけだ。何かあったのか?」
エリス「実は、お願いごとがあってね。」
凛怜「…それはなんだ?」
エリスは一拍置き。
エリス「私と婚約して。」
凛怜「……は?」
とんでもない、爆弾発言をしてきやがった。
エリス「あれ、聞こえなかったかしら?私と婚約して?」
凛怜「…冗談では無さそうだな。」
エリス「冗談でこんなこと言えないわよ。私だって、乙女なのよ?」
…どの口が言ってやがるんだ?
凛怜「俺の匂いを嗅ごうとしてきたり、出会い頭に息を荒くして抱きついてくるような奴を乙女とは言わん!」
エリス「そんな…私なりのスキンシップなのに…。」
凛怜「はぁ、それで?」
エリス「ん?」
凛怜「いや、ん?じゃなくて、なんでそうなったのか、教えてくれよ。」
エリス「そういう事ね、分かったわ。」
凛怜「あぁ、頼む。」
エリス「えっとね…。」
エリスは、こうまでする理由を俺に話した。
すごく長くなるので、要約すると、エリスの父親が、他人に興味がなく、男気が無い娘を心配して、政略結婚という形を取ったらしい。
一応エリスはお嬢様だから、ありえない話では無いので、まぁよくある事だろう。
そして、それに怒ったエリスが、もう婚約してる人がいて、それが俺だということを言ってしまったそうだ。それを聞いた俺はというと…。
凛怜「」(頭抱え)
頭を抱えてしまっている。
エリス「ということで、凛怜に頼んでいるの。フリでもいいからお願い!」
凛怜「くっ、しかしだな…。」
と、俺が決めあぐねていると。
エリス「私では嫌…かな?」
と、追い打ちをかけてくる。こいつ見た目だけは、見た目だけは!凄くいい。絶世の美女と言われても納得出来るくらいにはいい。
そして、涙目、昔からこいつの涙目は苦手な俺が出した答えはというと、当然。
凛怜「はぁ、分かった。」
こうなるわけで…。
エリス「ほんと!?やったぁ!」
凛怜「ただし、フリだからな!」
エリス「うん!ありがとうね、凛怜!」
その無邪気な笑顔に、俺は思わずドキッとするが、いつもこうなら、こいつモテるのになぁ…。と考えずにはいられなかった。
凛怜「はぁ、難儀だなぁ…。」
と、呟きながら、俺は妹たちへどう説明したものかと、思い悩むのだった…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます