第11話 ルードとの対面
凛怜side
2週間後
俺はいつもよりネクタイをきちんとしめ、出発する準備を整えていた。会議だけで終わればいいんだがな…。と思うが、嫌な予感が今まで以上に俺に警告を鳴らしてくる。だが、やりようが無いわけではない。どんなものだろうと、守ってみせる。
外に出ると、黒の車が何台か止まっていたが、一際目立つのは黒のリムジンだ。
このリムジンはちょっとした仕掛けがあり、M〇Bの車をイメージしてね。
防弾仕様で、大砲を食らわない限り、大丈夫らしい。全て一葉が手を加えた。どっから来るんだあの技術力…。末恐ろしい限りである。
リムジンの前では、既に幹部や部下達が勢ぞろいしていた。一葉も見送りだけはするそうだ。
凛怜「遅れてすまない。お前達、準備はいいか?」
紅葉「ええ。」
瑠衣「うん。」
愛凛「あぁ。」
一葉「気をつけてね。」
凛怜「一葉、例のやつ頼んだぞ。」
一葉「まかせてよ。」
凛怜「よし、では出発する。気を引きしめていくぞ」
幹部s「了解、ボス。」
そして、俺達は車に乗りこみ、クローバファミリーの本拠地を後にした。
ジャポーン国 XXビル会議室
瑠衣「凛怜、ドン・ルードが到着したみたいだよ。」
凛怜「通せ。」
しばらくして、部屋にノックが響き渡る。
コンコン
「ボス、失礼します。ドン・ルード様をお連れ致しました。」
1人の部下と嫌な笑みをうかべているドン・ルードと黒ローブの奇妙な女がそこにはいた。
凛怜「ご苦労、下がっていいぞ。ようこそ、いらっしゃいました、ドン・ルード殿とそちらの方は?」
ジェ「あぁ、この女はきにしないでくれ。」
と、ドン・ルードは言っているが、何故か気になる。どこか懐かしいようなそんな気配。前にもどこかで…。
ジェ「…ドン・クローバ殿?どうかされたかな?」
凛怜「いや、そちらの女性どこかであった気がしましたが、気のせいでした。それよりも、血の契約に従うにあたり、特別監査人を呼んだ。もうそこに待機させている。」
そう、説明し忘れたが、血の契約を行う際に、送られた側は、公平なものとする為、特別監査人を呼ぶことが原則として決まっている。特別監査人、通称
俺の後ろには黒のスーツに身を包んだ、生真面目風な男が、俺の立っている。その男が前に出て、自己紹介を始める。
??「MIO本部から来ました、セグレット=ニコールと申します。本日の特別監査人として短い間ではございますが、よろしくお願い致します。ドン・ルード様。」
Mafia Inspecting Organization《マフィア監査機関》通称、MIO、この機関は本拠地がゼニアルにあり、支部も各国にひとつずつある。裏社会での番人のようなもので、特別監査人の派遣やマフィア界の掟破りの重罪人を裁く役割を担う組織だ。
ジェ「こちらこそ、よろしく。」
凛怜「では、お互いに座りましょう。そちらにどうぞ。」
そう言って、お互い向かい合う形で座り、俺の後ろには幹部3人、黒ローブの女もドン・ルードの後ろで立っている。特監である、セグレットは俺たち2人が見える位置に黙って立っている。
凛怜「では、血の契約について要件を伺っても?」
早速、俺は切り出す。
ジェ「こちら側の要人殺害についてだ。説明を要求したいのだが?」
凛怜「その事については、そちらの要人がウチのシマで非合法な商売をしているという情報を手に入れた。証拠もあるぞ?瑠衣。」
瑠衣は、証拠の資料を机の上に置く。セグレットに手渡す。
(以下では、セグレットをセグと略します。)
セグレットは一通り確認したあと
セグ「こちらを正式な証拠として認めます。なにか申し開きがありますか?」
そう言ったあと、ドン・ルードは急に笑いだした。
ジェ「ふははははは、こんなものが証拠?笑わせるな!これはルードを語った偽物だ。」
凛怜「…その証拠は?」
ジェ「おい。あれを出せ。」
と、ドン・ルードが言うと、やれやれと言った様子で黒ローブの女が資料を取り出す。
その資料をセグレットが確認すると。
セグ「…こちらも正式なものと認められます。」
ジェ「残念だったな、ドン・クローバ!」
紅葉を除いて、瑠衣と愛凛の2人は驚愕の表情をしていた。
だが、俺の表情は…笑っていた。
ジェ「おい、何がおかしい?」
その質問を無視して、俺は
凛怜「紅葉、あいつを連れてこい…。」といった…。
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