第10話 決断

凛怜side


in会議室


現在、俺、紅葉、瑠衣、愛凛、一葉は、緊急会議の為、急遽集まっている。

凛怜「…これで全員だな。」

愛凛「ちょっと待て。あとの3人はどこにいる?」

凛怜「あいつらは、また別件で動いてもらっている。もちろん、耳には入れてある。来ようとしてたが、別の用事を頼んだんだ。」

愛凛「そうか、どおりで…。」

凛怜「ん?」

何か言いたげな雰囲気の愛凛に聞こうとすると。

瑠衣「それじゃ、会議を始めるよ。」

と、瑠衣の声が会議室に響く。その瞬間、全員の顔が一層引き締まる。


一葉「とりあえず、詳しい説明をしてくれるかな?ボスとしての決断はもう決まってるんだろう?」

凛怜「……。」

そう言った瞬間、全員の視線が俺に向けられる。

凛怜「あぁ、俺達はルードファミリーからの血の契約を受けようと思う。だが、お前達はどう思う?」


俺からの問いに少しの静寂を挟んだあと、紅葉が口を開いた。


紅葉「私も受けるべきだと思うわ。ルードファミリーが何を考えているかは分からないけれど、血の契約は絶対。下手なことは出来ないはずよ。」

凛怜「…。」


愛凛「…私は反対だ。罠である可能性がある。最近のルードファミリーは活発的だと聞くし、そんな所に行く事自体、無謀ではないか?」

凛怜「…。」


一葉「私も反対かな。愛凛姉さんが言ったことがないとは言えない現状において、無闇に行くべきではないと私は考えている。」

凛怜「…。」


瑠衣「僕は賛成かな。血の契約は絶対。これを反故にする事は僕達クローバファミリーの信用を落とす事にも繋がるし、色んなファミリーから、攻撃を与えられる口実にもなる。それは看破できる問題じゃない。」

凛怜「……。」

俺が黙っているところに。


瑠衣「凛怜、僕達はボスの意思のままに行動する。自分の意思を僕たちに教えてほしいんだ。」

瑠衣が言った言葉は幹部全員の総意だと言わんばかりに、皆の顔が俺に向いている。


凛怜「俺達は血の契約を受ける。話し合いは2週間後とし、場所はジャポーンのXXビルの会議室だ。紅葉、瑠衣、愛凛は俺に付いてきてくれ。」

紅葉・瑠衣・愛凛「「「まかせなさい/まかせて/まかせろ。」」」

凛怜「一葉は、引き続きの調査に加えて、ルードの動向を探ってくれ。」

一葉「まかせてよ。」

凛怜「お前達、2週間後が本番だ。気を引き締めてかかってくれ。」

幹部「「「「了解、ボス。」」」」

さぁ、念の為の準備もしておくかな。


ルードファミリーside


復讐者「こんにちは、ドン・ルード。」

ジェ「お前は確か…復讐者だったな。何の用だ?」

復讐者「貴方の計画の第1段階は果たせたみたいだから、私が来たのよ。」


ジェ「当然だ。奴らは応えないなんて事をするはずがない。いくら最強ファミリーだとしても、過激派全体を敵に回すことはしないだろうからな。」

復讐者「そう…。話し合いはいつだって言ってたの?」

ジェ「あん?それを聞いてどうするんだ?」

復讐者「私もそこに行くのよ。貴方の見守り人としてね。」

…何を言ってるんだこの女は。

ジェ「は?それを俺が許すとでも思っているのか?」

復讐者「許す許さないじゃないの、これは強制なのだから。」

そう言って、復讐者は謎の瓶を俺に向けた。その瞬間、俺の意識は朦朧とした。

ジェ「き、貴様な…にを…。」

復讐者「少しの間、貴方を好きにさせてもらうわね。」

その女の言葉と身の毛もよだつ程の恐ろしい目が俺を見ている。

その光景を最後に俺の意識はなくなったのであった……。


復讐者「兄様がどう出るか…。お手並み拝見ですわね。楽しみにしてますよ兄様♡」

そう言って、黒ローブの女はその場を後にする。

恐ろしさを感じる程の笑い声と共に……。



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