第11話 戦いの後

凛怜side


愛凛「そ、それで、凛怜はなぜここに?」

そう愛凛から聞かれたので答える。

凛怜「嫌な予感がしたから、一葉にゲスイーノについて調べてもらったら、妙な薬が出回ってるっていう噂があってな。」

愛凛「なるほどな、ただそれだけじゃ、まだないんだろう?」

凛怜「お、鋭いな。」

愛凛「当たり前だ、顔にそう書いてある。」

凛怜「…ポーカーフェイスは得意なんだがな…。」

愛凛「(色々な意味で)凛怜のことに関して、私を見くびって貰っては困る。」

凛怜「そ、そうか、なにか含みがないか?」

愛凛「そんなはずないだろう。」

凛怜「そ、そうか?まぁわかった。それで続きだが、どうやら、俺達の所に、間者がいるという情報もあった。誰かはまだ分からないが、まぁそこは奴を、3番隊にでも引き渡して聞き出してもらうさ。」

とドン・ゲスイーノを親指で指して言う。

愛凛「うむ、そうだな。」

愛凛も納得した様子だった。



凛怜「あ、それと裏方に回った、お前の部隊は俺が助けておいた。もう治療も済んでるはずだ。」

そう言うと、 愛凛は心底ホッとした表情で言った。

愛凛「ありがとう、凛怜。」

凛怜「いいんだ、みんな仲間だからな。」

愛凛「ふふ、そうか。あいつらが聞いたら泣いて喜びそうだな。」

凛怜「そうか?まぁ帰るぞ。」

と、何故かむず痒くなる気持ちになるので、そう言ってそうそうに切り上げようとする。

愛凛「ふふ、了解。」

愛凛もそんな俺を見て、色々察したのだろう、ただそれだけを言って、俺に付いてくるのだった。



??side


そこは戦闘があった、廃工場よりも少し離れた場所に一人の人間がいた。

??「あれが、クローバファミリーとそのボスか…。とても興味深い。」

なにより、黒葉 凛怜、やはりあれは本物だ、興味が尽きない、あの時の殺気、威圧感、私の想像をはるかに超えている。そして、黒葉 愛凛、彼女のあの姿には目を見張ったが、ますます面白みがある。

と、興奮していると。

??「まだ、いたのね。刹那せつな

そう私に話しかけてくる。

刹那「もちろん、私は彼のいや彼らのファンだからね。さて、ここで何をしてたんだい?ドン・ブラッドの側近さん?」

??「さすが世界一の情報屋と言われるだけあるわね。驚いたわ。」

刹那「驚いたのは私だよ、世間で悪の体現者と言われてるボスの側近がここに来てたなんて、どういう風の吹き回しだい?」

??「私はお兄様を見に来ただけよ。」

刹那「!?あのクローバファミリーのボスが君のお兄さんだって!?」

??「ふふ、驚いたかしら。これ流さないでね、一応、この事は秘密になっているの。もし流したら…ね?」

刹那「ま、まぁいわないけど、まさか、実の妹がそうなってるだなんて、思ってもみないだろうね。」

??「ふふ、そうね。」

刹那「まぁけど、私たちがここにいることは知られていたみたいだけどね。」


そう、私がドン・クローバを見た時に、私と目が合ったのだ。

それも、偶然かと思ったが、こちらにも警戒している様子だったので、その考えはすぐに捨てた。


??「さすが、お兄様と言うべきですわ。」

刹那「ますます、彼のファンになってしまうよ。」

??「あら、兄様は誰にも渡しませんよ?」

刹那「あはは、これは手厳しいね。」

と言って、私はその場を後にしようとする。

??「あら、もういいの?」

刹那「うん、見たいものも見れたし、今回はもう終わりかな。それじゃ、また会えたらどこかでね。」

??「ええ、またどこかで。」

そして、私は身を隠すように、闇へと消えていったのだった…。


??「あの時よりも着実に力をつけてますわね、ふふまた会える日をお待ちしておりますよ兄様♡」


そして、そのもうひとつの影も闇へと溶けていくように、その姿を消すのだった…。

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