第8話 vsゲスイーノファミリー①

午後20時


愛凛side


2番隊はA班とB班に分かれ、それぞれ一葉が作った、特別なイヤホン型通信機で連絡を取り合っている。

『こちらB班配置に着きました。』

B班の1人が連絡をしてきた。

愛凛「あぁ、標的はもう近くまで来ているかもしれない。決して気を抜かないようにな。」

『ハッ、了解です。』

愛凛「お互い生きて帰るぞ。絶対にだ。」

『はい、愛凛様、ご武運を…。』

そう言って通信機を切り、取引が始まるまで待機していた…。

そして、通信機から連絡が入る。

『愛凛様、来ました。ドン・ゲスイーノとその傘下、情報通りの人数です。』

愛凛「あぁ、ご苦労、こちらの指示があるまで待機だ。」

『了解しました。』


その通信を受け、私はより一層警戒を強め、気を引きしめる。

そして、私は行動に移った。

「ムグッ」グサッ…バタッ

見張りの1人の口を塞ぎ、刀で一刺しし、確実に仕留める。

「」ドサッ

向こうも上手くやってくれたようだ。


愛凛「よし、侵入するぞ、慎重にな。」ボソッ

「ハッ。」ボソッ

そして、物陰に隠れながら、慎重に標的に近づいていくと、そこには数十人の部下に守られるように

取り囲まれている、ドン・ゲスイーノこと、

下水 龍吾(げすい りゅうご)と売人がいた。


龍吾「ちゃんと、武器は持ってきたんだろうなぁ?」

売人「あぁ、これが約束の武器だ。」

龍吾「おい、確認しろ。」

部下A「ハッ。失礼します。」

そして、ドン・ゲスイーノとその部下が確認を終えたあと。

龍吾「ほれ、これが約束の金だ。」

そう言ってアタッシュケースを部下から売人へと渡り、売人は中身を確認する。その時突然、ドン・ゲスイーノが声をあげた。

龍吾「おい、まてここにネズミが多数いるなぁ…?そこか!」バンッ

そう言って、私が隠れている所に向けて、銃を打ってきた。

龍吾「おいおい、出てこいよ、場所は割れてんだ。なぁ?クローバのとこのネズミ共。」

…なぜ、それがバレている…!?まさか情報が…!?そう考えているとまた銃声が響く。

龍吾「俺は気が短いんだ。出てこねえならこちらからいくぞぉ?」

そう言われて、私は素直に出て、刀を構えながら、疑問を投げかけた。


愛凛「…なぜ、貴様がその事をしっている?」

龍吾「さてなぁ?お前たちんとこのネズミの1匹が脱走でもしたんじゃねえかぁ?」

と、嫌な笑みを浮かべながら言ってくる。

続けて、嫌な笑みはそのままにその男は告げる

龍吾「あぁ、そうそう、助けは来ねえぜ。裏手のネズミ共と俺の部下共が応戦している頃だからなぁ。」

愛凛「なに。そんな馬鹿な…。」

そう私が言うと、通信機から。

「こちらB班、今予想外の奇襲に合い、応戦中です。負傷者はいませんが、軽傷者多数です。すみません。」

愛凛「くっ、貴様…。答えろ!情報を渡したのは誰だ!」

龍吾「あひゃひゃひゃ、教えるわけねえだろ!バカが!」

ちっ、致し方ない…か。

愛凛「なら、無理矢理にでも貴様から聞き出してやろう。」

龍吾「あははは、この人数を相手にかぁ?」

と、目の前の男が言ったあと、物陰から数十人の人間がゾロゾロと現れた。

愛凛「…なるほどな、私達は罠に嵌められたのか。」

私は目の前の光景を見てそう言った。

龍吾「正解だぁ!さぁ、てめえらに地獄を見せてやるよ!」

愛凛「私たちの部隊の実力を舐めるなよ?」

龍吾「ハンッくそ雑魚の小娘が、おいてめえら、あの小娘共に、地獄を見せてやれぇぇぇぇ。」

そして、両ファミリーの戦いの火蓋が切って落とされるのであった。

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