第7話 決戦前 覚悟

取引時間の数時間前


愛凛side

自室にて。

私はただ座って、目を瞑っていた。


回想シーン

愛凛『 …本当に良いんだな?』

瑠衣『うん、凛怜の決定だよ。』

瑠衣は、心底大丈夫だという表情で、言った。

愛凛『…そうか、ならばもう何も言うまい。』


回想終了



愛凛「私は凛怜の刀、他のことは 凛怜に任せるのみ…か。」

私は兄さんから貰った刀を撫でる。

自分の唯一無二の相棒を撫でながら、私が見据えるのは、戦いの事。不安も、もちろんあるが、

兄さんが大丈夫だと言っているのだ。大丈夫に決まっている。

愛凛「ならば、迷う必要もない。ただひたすら切るのみ…。」


「愛凛様、そろそろ時間です。」

愛凛「あぁ、先に行っててくれ。少し寄り道をしていく。」

「分かりました。では。」ペコリ

そう言って、立ち上がり、部屋を後にし、改めて気を引き締めて、目的の場所に向かうのだった。


凛怜side


俺は1人で執務室にいた。正直不安で仕方がない。

別に、愛凛達の実力を信用していない訳じゃない、むしろこの上なく、している。だけど、心配してしまう。

この世界に絶対はない。いくら強くても、運が悪ければ、最悪の場合もありえる。

そんなことをさせない為に、俺がいるのだ。

凛怜「絶対守らなきゃな。」((ボソッ…。


そう言った、俺の頭の中には、俺にとって普通の日常、他の人にとっては、逸脱したものだろうが、俺にとっては何より大切な日常。

誰かが欠けることなど俺が許さない。

そう考えていると。

コンコン

??「入るぞ、凛怜。」

凛怜「おう、お前か、愛凛。」

愛凛「あぁ、相変わらず決戦前は怖い顔してるな。」

凛怜「そうか?普通だと思うぞ。」

愛凛「ふふ、凛怜の考えてる事は分かっている。心配性だな。」

凛怜「はぁ、まぁ性分だ。」

愛凛「分かっている。だからこそ皆がついていくのだからな。」

俺は椅子から立ち上がり、愛凛の前にいく。

愛凛「凛怜…?」

そう不安げに俺の名前を呼ぶ愛凛を抱きしめ、言った。

凛怜「絶対に生きて帰ってこいよ、これは命令だ。」

愛凛「…あぁ、分かっている。私は絶対に死なんよ。」

凛怜「あぁ、俺はお前の鞘だ、愛凛が無ければ、意味をなさないからな。」

愛凛「ふふ、それ覚えててくれてるんだな。」

凛怜「忘れないさ、絶対に。」

愛凛「ならば、改めて私はこの刀に誓って、約束しよう。絶対に凛怜の元へ帰ってくる。」

愛凛の凛とした声が、俺に響く。

凛怜「あぁ、頼むよ俺の刀。」

愛凛「了解、ボス。」


お互い笑い合い、離れた。愛凛は若干名残惜しそうだったが…。

愛凛「…それじゃ、行ってくる。凛怜気をつけて。」

凛怜「あぁ、愛凛もな。行ってらっしゃい。」


さてと、俺も行くとするか…。

と、考え、執務室を後にするのだった…。

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