第6話 決戦前会議④

瑠衣side


一葉が去った後、僕の気分はすっかり、落ち込んでいた。それでも、やるべきことがあるので切り替えないと!


瑠衣「よし」バチン

両頬を叩き、気分を変える。

コンコン

瑠衣「入るよ、凛怜。」


凛怜side


またやってしまった…。

はぁ、もう止められないのは分かっているのだが、こうなる度に、申し訳ない気持ちが募る。

皆、迷惑がってないのかなぁと思いながら、仕事に取り掛かろうとすると。

コンコン

瑠衣「入るよ、凛怜。」

と、瑠衣が帰ってきた。

凛怜「おう、おかえり瑠…衣…?」

瑠衣「うん、ただいま。」ピョコン


狼の耳を生やした、瑠衣がそこにいた。

瑠衣は、俺のように精神的に弱くなると、瑠衣の本来の姿が出る。

瑠衣は人体実験で、狼の遺伝子と合成させられ、狼人間になってしまったのだ。これはクローバファミリーでも、幹部のみしか知らない極秘事項となっている。

この事はまた、後々話すとしようか。

今はそれより…。


凛怜「あー、瑠衣?何かあったか?」

瑠衣「ううん、何も無いよ…。」クゥーン

いや、めっちゃ耳垂れてますやぁん。

凛怜「…瑠衣、耳出てるぞ。」

瑠衣「え!?」ピンッ

やっぱり、気づいてなかったか。

凛怜「瑠衣、おいで。」

俺は瑠衣に対して手を広げる。

瑠衣「凛怜ぁ。」

甘えた声で、瑠衣は俺に抱きついてくる。それに合わせて、俺も瑠衣を抱きしめて、頭を撫でてやる。

凛怜「瑠衣、良かったら、教えてくれないか?なんでそうなったのか。」

瑠衣「…一葉とのやり取りを見てた。」

凛怜「んー、もしかして妬いたのか…?」

瑠衣「…うん。」

えー、何この子めちゃくちゃ可愛いんだけど、天使なんじゃないの?狼だけど、もう子犬に見えてきちゃうんだけど…。


凛怜「んー、瑠衣は我慢するからなぁ、別に我慢する必要はないんだぞ?」

瑠衣「うん、でも僕お姉ちゃんだから。」

凛怜「なら、俺は瑠衣のお兄ちゃんだからな、昔みたいに甘えていいんだぞ。」

瑠衣「そう…だね。じゃあもう少しこのままで…。もっと撫でて…。」

凛怜「あぁ、沢山撫でてやるし、甘えさせてあげる。」

そう言って、満足するまで甘えさせるのだった…。


満足した瑠衣は、またいつもの調子に戻ったようで、仕事の話になる。


凛怜「それで、準備はどうだ?」

瑠衣「大体の準備は終わったよ。」

凛怜「そうか、お疲れさん。」

瑠衣「うん、凛怜は明日どうするの?」

凛怜「俺は俺で動く、少し気になることがあるんでな。」

瑠衣「あー、あのとんでもな勘ってやつが発動したの?」

凛怜「まぁな、だから俺は俺で動くから、作戦通りにしてくれてかまわない。それと危なくなったら、"あれ"を解放しろと言っておいてくれ。」

瑠衣「了解したよ。愛凛にもそう伝えとくね。…本当にいいんだね?」

凛怜「あぁ、そろそろ、あいつらにも見せておくべきだからな。頼むよ。」

瑠衣「…。」

凛怜「…不安か?」

瑠衣「否定はしないよ、けど凛怜の決定だからね。それに従うのみだよ。」



そうして、一通りの作戦の説明が終わり、残った仕事を、2人で片付けるのだった…。

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