第4話 決戦前会議②

瑠衣side



凛怜が部屋から出た後、しばらくして僕達は早速作戦会議を始めるのだった。


瑠衣「それじゃ始めようか、まず状況を説明するね。」

愛凛「頼む。」

瑠衣「情報を元にすると、ゲスイーノファミリーの人数は、入口の前に2人の見張りと取引の現場では10人の部下とドン・ゲスイーノで13人だよ。

取引相手は売人とその部下10人だね。」

愛凛「では、隊を2つに分けて1つは私と入口から侵入、もう1つは裏方へ回って挟み撃ちでいけばいいか?」

瑠衣「うん、それでいいよ。」

愛凛「了解した。」

瑠衣「うん、頼むね。」

一通りの話が終わったあと、勢いよくドアが開いた。


凛怜「すまん、遅くなった。」ハァハァ

瑠衣「そんなに慌てなくてもいいよ。」苦笑

愛凛「何をそんなに急いでたんだ?」

凛怜「いやまぁ、色々あってな。それで終わったか?」

瑠衣「うん、終わったよ。今から準備するから、僕は一旦出るね。」

愛凛「」ビクッ

あぁ、大丈夫かなぁ愛凛、凛怜と2人きりになるけど、耐えられるかな?と考えていると…。


凛怜「ん?どうした?愛凛」

愛凛「い、いやなんでもない!」

凛怜「そ、そうか。それじゃ、2人とも頼んだ。」

瑠衣・愛凛「「了解、ボス。」」

瑠衣「それじゃ、僕行くね。」


うーん、これは無理そう?かな。

なるべく早く帰ってこようと心中で思いつつ、僕は退室するのだった。


凛怜side


会議が一段落付き、緊張感が無くなり、雰囲気もいくらか緩和されるだろうと思ったのだが…。

凛怜・愛凛「「…。」」

え、何これすごく気まずいんだけど、なんで愛凛は何も無い壁の方をずっと向いてるの?え?なんでそっち向いてるの?俺、泣いちゃうよ?んー、聞いてみるか…?よし、聞こう。


凛怜「あー、愛凛?」

愛凛「ひゃい!」ビクッ

凛怜ビクッ

凛怜「ど、どうした?」

愛凛「い、いや、、ななななんでもない…ぞ?」(まずいまずい、兄さんと2人きりとか幸せすぎるけど…)

凛怜「いや、何かあるだろ?」

愛凛「なんでもない!」(これは、非常にまずい、暴走しそうになる…)

凛怜「じゃあなんで何も無い壁の方を向いてるんだ?」

愛凛「そ、それはだな…き、気分だ!」(あんな姿、凛怜には絶対知られる訳にはいかない!)

と、愛凛の心の中では物凄い葛藤があるのだが

凛怜「愛凛はそんな気分屋でもないだろ、ほら顔を見せてみろ。」

凛怜はそんなことを露知らず、そう言いながら、愛凛の顔を自分の顔の近くに寄せて、見る。


凛怜「顔が赤い…?風邪なのか?明日の任務はやめた方がいいんじゃ…。」

愛凛「い、いいから大丈夫だから、少し離れてくれ…。」(顔が近い近い近い、はぁ♡兄さんの顔が近くに…これはまずい♡)

凛怜「あ…すまん、嫌だったか?」

そして少し離れる

愛凛「いや、嫌というわけじゃないんだが…。」(兄さんやっぱり可愛いしかっこいい、幸せすぎて失神しそうだった♡)

凛怜「だが…?」

愛凛「あぁ!もういいだろ!いじわるだぞ兄さん!」

なぜか、怒らせてしまった。兄ちゃん少し悲しい…。

凛怜「あ、ああ、なんかすまん…。」

愛凛「い、いいんだ。それじゃ私も任務の準備にかかるから出るよ。」(うぅ、少し残念だが、ちゃんとしないと!)

凛怜「そ、そうか、頑張れよ。またな」

愛凛「う、うむ、ではな。」

愛凛がそう言って、俺も見えない位、すばやい動きで、部屋から退出していった。

…え?そんなに俺と2人嫌だったの?辛い…。

凛怜「世知辛いな…。」グスッ

と、愛凛の心の中での葛藤を一切知らない凛怜は、若干涙をこぼしつつ、そう一言こぼし、残った仕事を片付けるのだった…。

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