第1話 クローバファミリー
ある昼下がり、そこにはペンを走らせる音と紙をめくる音だけが響いていた。
そしてそこには2人の男女が山積みの書類を片付けている。
凛怜「あぁ〜、終わらねぇ…。」
こんなことをぼやきながら、書類と必死に、にらめっこしているのは
このクローバファミリーの創立者の1人にして、このファミリーのボスである。顔が中性的なのか、よく女性に間違えられるが、れっきとした男だ。
この時の威厳なんてないようなものだが、戦闘面においてはファミリー最強を誇る。
凛怜「はぁ、かったりぃ〜。」
??「もうちゃんとしないとダメだよ凛怜、はいこの書類にも目を通しておいてね。」
そう言って、書類を俺に渡している女性は
俺と共に、クローバファミリーを作った初期メンバーの1人で、幹部の統括的立ち位置にいる、容姿端麗で、透き通った白肌に目の色が青と赤のオッドアイで白銀といって差し支えない程、キラキラとした綺麗な髪の色をしている美女だ。
才色兼備を体現したような女性で主に書類整理を担当してるのだが、戦闘面においても非常に優秀だ。
捨てられていた所を俺が拾ったのだが、そこはまた後々話すとしよう。
名付け親は俺なのだが、最初は男だと勘違いした為、るいという名前をつけたのだが、実のところ女性と分かり、慌てたのはいい思い出である。
凛怜「ん、ありがとう瑠衣、そこに置いといて。」
瑠衣「いいんだよ、僕にはこれくらいしか出来ないからね。」
お気づきだと思うが、瑠衣はボクっ娘なのだ、そりゃ勘違いするよね?ね?うん、するね!てか、僕っ娘って最高すぎん?萌える
と、頭の中で馬鹿なことを考えつつ、俺は書類仕事に勤しんでいる。
凛怜「いや、本当に助かってる、ありがとな。」
瑠衣「いいんだよ、僕がしたくてやってるからね。」
凛怜「そう言ってくれると助かる。」
瑠衣「うん!さぁもうひと踏ん張りだよ、がんばろ!」
凛怜「そうだな!よしやるかぁ!」
コンコン
「失礼します、ボス!」
そんな会話をしていると、ノック音と共に慌てた様子で1人の部下が入ってきた。
凛怜「騒々しいな、どうした?」
「ゲスイーノファミリーに動きがあったようです!」
ゲスイーノファミリーとは、薬の売買や不当な金貸しなど、犯罪行為を平気でやるマフィアの名前だ。
クローバファミリーの敵対組織のひとつである。
凛怜「そうか、じゃあ今夜あたり決着をつけるか…。」
瑠衣「その方がいいみたいだね。」
凛怜「ご苦労さん、お前はゆっくり休め。」
「分かりました、ボス。」
凛怜「瑠衣、あいつを呼べ。」
瑠衣「分かったよ。」
はぁ、これは一波乱起きそうだなと、他人事のように考えているが、そうも言ってられないなと思い直し、目的の人物が来るのを待つのだった…。
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