第9話 姉の威厳
さぞかし姉の凄さを思い知ったかと思いきや、
「えー、お姉ちゃんってストリッパーだったの?」
愚妹カスミは、目を大きくして驚いていた。
「だれもストリッパーなんて言ってない。トリッパー。観光旅行者のこと」
「でも、トリッパーって、日帰り旅行者って意味だったような。日帰りで海外に行って戻れる国って限られてると思うけど」
た、確かに。
無難にトラベラーといえばよかったーっ。
サクヤは頭を抱えて、うぬののののおおーっ、と叫びながら膝を床につけ泣き出す姿を思い浮かべながら、必死に耐えていた。
「か、カスミの英語力を、ちょっと試してみただけ。お姉ちゃんが家を留守にしてる間、ちゃんと勉強してるかチェックを兼ねて」
「もー、心配性なんだからお姉ちゃんは。それなりに勉強してるって」
「そのようだね。姉として、安心したよ」
よしっ、なんとか乗り切った―っ。
姉としての威厳は保てたサクヤは、両手を強く握っては突き上げるガッツポーズを頭の中で思い描くのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます