第22話 限界者

 アガレスが眠りについてから言われた通り、庭の真ん中に一本だけ生えている木の根元に埋める、二日間かけて自分の手のみで行った


〖大賢者 アガレス・フォレンド 永久に眠る〗


 埋められた木の根元に粗削りな石を置き字を掘り墓標とした


「わりぃな、お粗末な出来だけど許してくれ…師匠…」


 そう言って血と土で汚れた手で拝むアストル、その手を、その汚れた体を見て文句を言う者は居ないだろう、アガレスを除いて


「さて、それじゃ師匠の遺言通りあの家で修行を続けるか、つっても適性が無い物は覚えられないが…」


 この8年間でアストルは多くを学びそれに比例してステータスも大きく変わっていた


 名 アストル   種 レッサーゴブリン

 Lv 10/10(進化不可)

 HP:230/230 MP;510/510

 力:G 守:G+ 速:G 技:G+ 魔:G+

【スキル】

 セーブ&ロード 高速思考Lv8 状態異常耐性(中)Lv6

 物理攻撃耐性(中)Lv10 身体強化(中)Lv9 魔法 Lv8

 暴食 Lv10  忍耐 Lv10 多重思考 Lv4 成長促進 Lv10

 宝探し Lv1 武芸百般 Lv4 勤勉 Lv4 無詠唱 Lv10

 鑑定 Lv3 料理 Lv10 家事 Lv8 複合 Lv10

【魔法】

 火(小)水(中)風(中)土(小)光(小)闇(小)無(中)

【称号】

 転生者 最弱の魔物 同族殺し 神狼のお気に入り ネームド

 複合士 賢者の愛弟子 暴食 忍耐 知識の探究者 努力家 勤勉 

 スキルコレクター ウェポンマスター 一流の家政婦 凄腕料理人

 複合士 限界点 魔導神の観察対象 魔法適正 武神の興味

【加護】

 神狼の加護 魔導神の祝福 武神の祝福


 整理して少なくなったスキルが再び溢れていた、8年間のアガレスとの修行の成果とも言える


「あれ、称号と加護が何か増えてる…」


 魔導神の祝福は授かったのは知っているが、もう一つの武神の祝福に関しては一切心当たりが無かった


「まぁいいや、それより【魔法適正】この称号が一番の驚きだな、俺に適性が無かったから無と風と水以外は覚える事すら出来なかったのに、この称号のおかげで師匠の残した魔法を全て覚えられる」


 魔法適正:魔導神の祝福によって得られる称号、基本属性全ての魔法を覚えられるようになる


「こうなると進化出来ないのが残念だな、進化して能力値が増えれば魔法の習得も早まるのに…」


 この世界の生き物は皆進化の可能性を秘めている、人族なら剣聖のハイヒューマンが有名で、他にも獣人族のロアビーストやエルフのハイエルフ、ドワーフのエンシェントドワーフ等々、極一部ではあるが進化してより優れた種族になれる、それは魔物も同様でむしろ魔物の方がほかの種族と違い進化しやすい


 にも拘らず、アストルは進化出来ない…所謂【限界者】になってしまったのだ

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