第8話 カタルシスとは?

「それで現場はどうでしたか? その時の状況を教えてください」

 レポーターらしき女性が生き残りの人の話を聞こうとする。それに対し生存者は、必ずしもカタルシスは悪いやつらではないかもしれないと言うのである。

「なんだよそれは。それではこっちが期待していたものとは違うじゃないか。もっと残忍なモンスターみたいなものかと想像していたのに」

 自転車で移動中の霧島裕司はそのように呟いた。想像とは違うカタルシスにがっかりしたようである。これならばカタルシスと上手くやっていけるのかと考えたりもしたようだ。

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