Episode 70「迷惑行為」
「いけー!」
「進めー!」
「やっちまえー!」
「『エクスプロージョン』」
「や、やめッ――」
「うぁぁぁあ!」
「に、にげッ――」
《ダンジョン『竜の巣』がレベル9からレベル11になりました》
第四波、それとも第五波?
どっちでも良いけど、とりあえず全滅完了。
そしてポイントを確認してみれば、1234と表記されている。
おぉー、なんか凄いね、1234だよ。並んでるよ。
まあこれから、アップグレードのためにポイントを消費するんだけどね。
さてさて、私はアップグレードの一覧から、どういうものがあるのかを確認する。
――【UPGRADE】――
・ダンジョンポイント「1234」
▷層増加(LV1):1000
▷部屋拡張(LV1):100
▷部屋増加(LV1):100
▷通路拡張(LV1):100
▷通路増加(LV1):100
▷取得ポイント増加(LV1):100
――――――――
アップグレードができるのは、まだこれだけ。
ツキナちゃんによれば、条件達成で解放されるアップグレードもあるとか。
条件達成も目指しつつ、ゆっくりと強化していくけどね。
で、まずは何をアップグレードするかだけど……。
早い内に、取得ポイント増加は上げておきたいよね。
そうすれば、増えたポイントが後々貯まっていくだろうし。
だから、まずはこれにポイントを注ぎ込む。
《『取得ポイント増加』がレベル0からレベル1になりました》
――【UPGRADE】――
・ダンジョンポイント「1134」
▷層増加(LV1):1000
▷部屋拡張(LV1):100
▷部屋増加(LV1):100
▷通路拡張(LV1):100
▷通路増加(LV1):100
▷取得ポイント増加(LV2):200
――――――――
ポイント増加に必要なポイントが増えたけど、まだまだアップグレードはできそう。
とりあえず、今回のポイントでできるだけ、ポイント増加のレベルを上げておこうと思う。
《『取得ポイント増加』がレベル1からレベル2になりました》
《『取得ポイント増加』がレベル2からレベル3になりました》
《『取得ポイント増加』がレベル3からレベル4になりました》
――【竜の巣】――
・LV「11」
・層「5」
▷宝箱「30」(SR)
・攻略中「37」
・ランキング「18位」
――【STATUS】――
・層増加「LV0」
・部屋拡張「LV0」
・部屋増加「LV0」
・通路拡張「LV0」
・通路増加「LV0」
・取得ポイント増加「LV4」
――【UPGRADE】――
・ダンジョンポイント「234」
▷層増加(LV1):1000
▷部屋拡張(LV1):100
▷部屋増加(LV1):100
▷通路拡張(LV1):100
▷通路増加(LV1):100
▷取得ポイント増加(LV5):500
――――――――
とりあえず当面は、ポイント増加にポイントを使おう。
それじゃあ後は分身体に切り替えて、これで放置ができる。
分身体には、敵を見つけたらとりあえず『エクスプロージョン』を放つようにさせて、万が一HP減った場合にはポーションを飲むよう設定してあるから、負けることは滅多にないと思う。
この前のアップデートによって追加されたスキルや装備の中には、私を対処するのに適したものもいくつかあるようだから、完全に無敵っていうわけじゃないんだけどね。
でも、そのスキルや装備の確認はされていても、入手しているプレイヤーが多いわけじゃない。だから、すぐにどうこうなってしまうことでもないけど。
それでも、知らない間に対策、そして攻略なんてされていたら、普通に悲しい。
何せ、私のダンジョンはボス部屋直行からのボス戦だからね。いつか攻略される可能性はある。
だから私は、対策の対策を見つけるべく、ダンジョンを出て、スキルを探しに行こうと思う。
それと、従魔も分身体としてダンジョンに配置できるらしいから、クロ、ドラコちゃん、ガゴ君、プラフィー、プラフィー二号をとりあえず各層にまばらに配置したんだけど、正直、彼らがいればスキルなんて無くたって余裕そうだけど……。
まあ、保険だよね、保険。
◇ ◇ ◇
◇第二層・スキル商店◇
ギルドの近場にある、前にも来たことのあるスキル商店。
店内に入ると、壁に掛けられたスキル巻物を手に取って何やら悩んでいる様子の、見知ったプレイーがそこにはいた。
「あ。村人Aさんじゃないですか」
「ん? お、ツユじゃねぇか」
名前呼ばれて振り返った村人Aさん。
そう言えば、初めて出会った時もここにいたっけ。
「奇遇だな。ツユもスキル探しか?」
「はい。ということは、村人Aさんもですか?」
「まあ、ここに来るやつはみんなそうだしな。それよりも、だ」
急な話の変換に、頭に?を浮かべていると。
「村人Aって呼び方、止めてくれねぇか? あと敬語もな」
呼び方……呼び方……。
確かに、村人Aだと言いづらいみたいなこと、前にも思ったけど……それなら、そんな名前にしなければ良かったんじゃ……? と突っ込みたくなるのを抑えて、新しい呼び方を考えてみる。
「じゃあ――村人さん?」
「さんじゃねぇ。呼び捨てで良い」
「えーっと……村人……」
「おうっ!」
ぐあぁっ、笑顔が眩しい……!
ダメだ、急な呼び捨てなんて慣れる気がしない。
クロの気持ちがちょっとわかった気がするよ……。
ふうぅー……。
は、恥ずかしいから話を変えよう。
「ところで、何を買うんですか?」
「敬語もやめてほしいんだが……」
最後の願いは無視しつつ、村人Aさん、じゃなくて村人、が持っているスキル巻物を覗き見る。
巻物の数は三つ。
『爆破耐性』『猛毒付与』『腐食付与』
うーん、どうも疑わずにはいられないんだけど……
「これ、私対策ですか?」
「ああ、そうだな」
素直ッ!
いやまあ、ゲームなんだし、いつか戦うことだってあると考えるなら、対策をしたって何もおかしいことじゃないんだけどさ。
「ま、念のためさ」
私の思考を読み取ったのか、村人はそう言った。
それならば私も、
「では、爆発の威力や腐食の耐性が増加するスキルって、どこにありましたか?」
聞かなくても、それらも含めて、スキルを探しに来たんだけどね。
まあ、こういうのは手っ取り早く見つけたいし?
「ん? ああ、それなら俺が買い占めておいた」
「んなっ!?」
え、今、買い占めたって言った? 言ったよね?
「ちょ、なんて迷惑行為をしてくれちゃってるんですか!」
「ふ。これもゲームを有利に進めるためさ」
「んなぁっ!? つ、通報しますよ!? 迷惑行為でBANされちゃいますよ!? 良いんですか!?」
「大丈夫だ。買占めは公式から認められてるしな。――これだからFLOは、やめられねぇぜ」
いやなにカッコつけちゃってるんですか!? そんなキャラじゃないですよね!?
もうこうなったら――
「なら、売ってください!」
「ダメだ」
「なっ!?」
そ、即答……。これは本当にダメそうだなぁ……。
「俺はな、お前に使わせないためにわざわざ買い占めたんだ。いくらしたかわかってんのか?」
それなら買わなかったら良いのでは……。
「爆破属性増加のスキルだけで、20ゴールドだぞ?」
だから。それならなんで買ったのか、めっちゃ気になるんですけど。
それは別として、ダメ押しの提案を
「それなら、二倍の40ゴールドで買い取ります」
「だからなぁ、何度も言うが……――え、二倍?」
「はい、二倍です」
「ま、マジか?」
「マジです」
ダメだと思ってたけど、これならいけそう。
幸い、お金ならいくらでもある。
まあ限りはあるんだけど、増やそうと思えばすぐに増やせるし。
「それも、受け取るのは一つだけで結構です」
「売る売る、売るぜ!」
おぉ~、掌返しが凄いですね!
ちなみに、受け取ったスキルはこれ。
――『爆破強化』――
・パッシブスキル
――【EFFECT】――
・爆破属性が付与された攻撃の威力を増加させる
・爆破属性の範囲を増加させる
――――――――
中々強いスキルだったから、お互いにウィンウィンだと思う。
まあ、損はしてるんだけどね……。
とまあ取り引きをした私は、店内を一通り見回った後めぼしいスキルが無いことを確認してから、村人と一緒にお店を出た。
――【ツユ】――
・個体名「竜人・ポイズンドラゴン」
・LV「28」☆
▷MONEY「19,943,380」
▷CASINO「40,000,000」
――【STATUS】――
・HP「3900/3900」
・MP「3900/3900」
・SP「3900/3900」
・STR「2340」(660)
・VIT「2340」(1160)
・INT「2340」(160)
・DEX「2340」(350)
・AGI「2340」(470)
・LUK「2340」(50)
――【WEAPON】――
▷右手「道化師のナイフ」(納刀中)
▷左手「道化師のナイフ」(納刀中)
――【ARMOR】――
▷頭「毒龍のヘルム」
▶手
▷右「毒龍のガントレット」
▷左「毒龍のガントレット」
▷胸「毒龍のアーマー」
▷腰「毒龍のスカート」
▷足「毒龍のブーツ」
▷その他
「毒龍のマント」
「毒龍の心臓」
――――――――
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