Episode 43「転生」

――『収納バッグ』――

・容量=100

・持ち運び可能

――――――――



 とっても便利。


 特に、持ち運び可能ってところが良いね。



――『認識阻害』――

・使用中SP消費

――【EFFECT】――

・認識を阻害できるが、既に見つかっていたり、長時間見られてしまうと効果が無い

・目立つ行動や攻撃をしてしまうと効果が切れる

――――――――



 めっちゃ強い。


 後ろから気づかれずに襲撃。とかもできそう。



『白龍の龍鱗×100』



 これはヘッドさんに渡して、何か作ってもらおう。



――『飛弾操作』――

――【EFFECT】――

・自分又は相手の飛び道具、飛弾系魔法及びスキルを、攻撃直後に操作することができる

・止めたり、威力や速度を落とすことは不可能

――――――――



 私は使わなさそうだなぁ。


 でも、能力は強いと思う。



――『鑑定』――

・パッシブスキル

――【EFFECT】――

・通常の情報に加えて、所持スキルや魔法、弱点などの情報を見ることができる

――――――――



 おぉ、情報はあった方が、楽に敵を攻略できるから、習得して損は無いね。



――『精鉄の槌』――

・スキル『鍛冶』で使用可能

――【EFFECT】――

・鍛冶の成功率が大幅に上昇する

・作成時の素材の消費を半分に抑えられる

・作成したアイテムには能力が必ず付与される

――――――――



 これもヘッドさんにあげよう。


 作成時の素材が半分になるっていうのは、資金的にも良いと思う。


 それに、レア素材だったら数が限られてくるもんね。


 そっか、これで『白龍の龍鱗』を加工してもらえば良いんだ。



――『氷帝のエンブレム』――

・加工品

――【EFFECT】――

・これを付与させたアイテムを装備すると、水、氷属性の威力が増加し、水、氷属性の耐性が上昇する

・水、氷属性の魔法、スキル使用時に、HP・MP・SPの消費量を20%抑える

――――――――



 これは間違いなくスノウちゃんにピッタリだね。



――『商店キット』――

――【EFFECT】――

・自分の家を商店に改築できる

・空き地に商店を建てられる

――――――――



 商店は……今のところ要らないかな。


 これはフレアさんに渡しておこう。



――『竜の金の卵』――

・アイテムを与えると孵化するかも……

――――――――



 アイテムを与えると……?

 

 そう言えば、この前の卵は勝手に孵化したけど、なんでだったんだろう?



――『白龍鱗のショットガン』――

・伝説の白龍の龍鱗で作られた、謎の古代武器

――【STATUS】――

・STR=600

・DEX=300

――【EFFECT】――

・弾丸を無限生成、自動装弾、自動リロードを行う

・防御貫通

・破壊不可能

・回復切り替え可能

――――――――



 うわー、めちゃくちゃ強いね。


 防御を貫通してダメージを与えられ、破壊されない、回復もできる。


 ……………………。



「これは……普通に強いわね」


「おいツユ、これは流石にまずいぞ」


「一種類しか確認されていない武器でさえ、ストーリーで手に入れられる物なのに……」



 ヘッドさんとミズキには言われたくないよ……。


 と、その時、



「先輩、こんにちは! 皆さんも……って、何してるんですか?」



 突如二階の部屋の扉が勢いく開かれ、スノウちゃんが現れた。


 拍子に武器をしまっちゃったけど、話した方が良いのかな?



「え、えっと、スノウちゃん」


「はい、なんですか?」


「こ、これなんだけど」



 私は『氷帝のエンブレム』を取り出す。


 

「これ、スノウちゃんにピッタリだなぁと思って……」


「え、良いんですか? ……うわっ、凄いです! これ、めっちゃレアなアイテムですよ! ありがとうございます!」


「う、うん、喜んでもらえたなら嬉しいよ……(フレアさん、ショットガンの件はどうすれば!?)」


「(ツユちゃん、落ち着いて! まだ話す時ではないわ)」


「(そうだな、今話せば、混乱するかもしれない。主にFLO全体が)」


「(あと何個かLRが見つかったら、発表するのが良いんじゃない?)」


「(わ、わかった)」



「こそこそして、どうしたんですか?」



「なんでもないよ」

「なんでもないわ」

「こそこそなんてしてないよ」

「だな!」



 はぁ~、これからどうしよう……。




◇ ◇ ◇




 私は一旦ログアウトして、お昼ご飯を作って食べた。

 

 途中、スマホから電話の着信音が鳴ったので見てみると、FLO運営とあったから、とりあえずお箸を置いて急いで出た。


 

「もしもし、えっと、ツユです……」


『君のことは部下から聞いているよ。僕は新藤しんどうしょう。FLO開発グループ、ニューホープ社の社長をしている者だ』



 社長……ということは、この前電話を掛けた時に出掛けていた人……もとい偉い人……。



「ど、どうも。……あ、あの、お話しは明日じゃありませんでしたっけ?」


『あぁ、明日は君に会えることを楽しみにしているよ。だが、この件は別でね、急遽、君にお願いがあるんだよ』


「お願い……?」


『そう。君は少しやり過ぎてしまった』



 私が消されてしまいそうなセリフだ……。



「れ、LRを手に入れたことですか?」


『まあ、それもあるのだが……ん? おい、ちょっと待ってくれ、LRを手に入れたのか!? もしかして、宝箱で!?』


「は、はい……」


『うぅむ……そ、そうか。まあアイテムはまだ良いのだよ。今の問題は、君のステータスだね』


「ステータスですか?」


『ああ、特にLUKに関してのな』



 ですよね。



『正直、このままレアアイテムを乱獲されるのをやめてほしいとは思うが、システム的にもそれは無理な話だろう。だが、流石に君の今の数字は高すぎるのだ』


「確かもうすぐで100万いきますしね……」


『あぁ。それこそLRが頻繁に出てくるだろう。だが、FLO自体、システムが緩いというのもある。まだサービスを開始して1ヶ月だからな。……まあ言い訳にもならんが。――だから明後日、早くて明日、アップデートを行うのだ。今まではレベルアップでステータスが20%の増加だったが、アプデ後はHPやMPと同じ感じになるな。なのでアプデ後の急激な数値の変化でバグが起きないよう、こうして連絡を入れた次第だ』


「はぁ……」



 そういうことは言わない方が良いんじゃ……。


 でもそれだと、ステータスが大分下がるなあ。まあ、その分、モンスターも弱くなったりするんだろうけど。



『なので君には、アプデが行われる前に転生をしてほしいのだよ』


「あ、なんかありましたね」


『そうだ。可能だろうか?』


「多分、できると思います」


『そうか、なら良かった。ついでに君の従魔も転生してもらえるとありがたい』


「わかりました。今すぐやってみます」


『ありがとう、助かるよ。では僕は仕事が残っているのでこれで失礼させてもらうよ』



 切れる通話。

 

 凄かった。話のスケールが。


 


◇ ◇ ◇




◇『不死竜』ギルドハウス◇




「あらツユちゃん、お帰りなさい」



 ギルドハウスにいるのは、フレアさんだけ。


 ヘッドさんとミズキとスノウちゃんはどこかに出掛けたっぽい。



「あの、フレアさん。転生ってどうやるんですか?」



 社長さんにやり方を訊いてなかったよ。



「転生ができるようになったのね? そうね、私もさっきの戦争でレベルが50になったから、そろそろしてみたいと思っていたのよ。ちょうど良いから今からやりましょうか」


「今すぐできるんですか?」


「えぇ。お金を払うだけ。ちょっとお高いけどね」




 ステータス画面を開き、フレアさんに転生の方法を教わりながら、やってみる。


 手順としては、レベル50になったら出てくる《転生可能》の文字に触れて、必要なお金を払うだけ。



『転生……10ゴールド』



 確かにちょっと高いけど、今の私にとっては大した額じゃない。


 転生しますか? の文字と、『YES』と『NO』。当然『YES』を押す。



「これで完了よ」



《称号『転生者』を獲得しました》



 これだけで良いんだ。


 とても簡単だね。



「ありがとうございます! クロにもしてみます」



 クロを指輪から呼び出して、さっきしたことと同じことをする。



「これで完了っと」


「グゥガァ!」



 クロが嬉しそうにして、私も嬉しくなる。


 

――【ツユ】――

・LV「1」☆

▷MONEY「11,742,380」

▷CASINO「40,000,000」

――【STATUS】――

・POINT「140」

・HP「510/510」

・MP「510/510」

・SP「510/510」(100)

(全ステータス20%上昇)

▷STR「240」(200)

▷VIT「240」(740)

▷INT「240」(20)

▷DEX「240」(20)

▷AGI「290」(520)

▷LUK「9100」(50)

――――――――


――【クロ】――

・個体名「ブラックアーマードラゴン」

・LV「1」☆

――【STATUS】――

・HP「2550/2550」

・MP「2550/2550」

・SP「2550/2550」

・STR「4400」

・VIT「4400」

・INT「4400」

・DEX「4400」

・AGI「4400」

・LUK「4400」

――――――――



 どうやらHP・MP・SP以外のステータスの下二桁が消えて、さらに百を切り捨たのかな?



「予想はしていたけれど、大分下がったわねぇ」


「ですね」



「よしっ、今日はとことんレベル上げよー! さあツユちゃん、行くわよ!」


「はいっ!」

「ガォオッ!」

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