Episode 42「ガチャ」

――『誘爆』――

・パッシブスキル

――――――――

・自爆攻撃を即発動することが可能になる

・自爆攻撃の威力・範囲が大幅に上昇する

――――――――



 フレアさんとレイミーが私の為に手に入れてくれたこのスキル、思った以上に凄かった。


 威力も、範囲も、以前とは比べ物にならないくらいヤバイ。しかも私の近くにいるパーティーメンバー(ギルドメンバー含む)は死なないときた。やだ怖い。


 しかも即発動可能。


 え、マジで? この威力と範囲で自傷せずに連発できるの? あ、BANされないかだけは心配です。運営さん、どうか見逃してください。チートとやらは使ってませんよ!


 あ、ちょっと待ってね。それよりも大変なことが。



「こここ、この威力……」



 スキル『誘爆』を渡した本人が一番驚いてる。


 あれかな。ゲーム機を貸したら、データが最強になって返ってきた、的な。


 うん、私もゲームのこと、段々わかってきたかも!



《プレイヤー『ツユ』がレベル36からレベル38になりました》

《従魔『クロ』がレベル30から32になりました》

《ステータスポイント10を獲得しました》

《『76ゴールド・87シルバー』を獲得しました》



 あとそれと、さっきからレベルアップのメッセージが……。


 確かプレイヤーを倒してもEXP経験値は手に入るんだよね。しかも多めに。


 と、色々考えてる内に、私は『エクスプロ―ジョン』を唱えまくってます。もはや終末だね。



《プレイヤー『ツユ』がレベル38からレベル39になりました》

《従魔『クロ』がレベル32から34になりました》

《ステータスポイント5を獲得しました》

《『58ゴールド・24シルバー』を獲得しました》



 あ、ごめんなさい! 


 今、黒い旗を持ってたプレイヤーを爆発に巻き込んじゃった、味方なのに。ほんとごめんなさい。


 危ないから近づかないでね?



「おい、ツユ。これさぁ、俺らの出番あるか?」


「そうだよ、ツユ」


「ぁ……ぁ……」


「えーっと、ほら、経験値やアイテムを稼げるでしょ?」



「それ、俺たちはお前のおこぼれにあずかっているってことか?」


「どうなの、ツユ」


「ぁあ……世界の破滅……」


「えぇっと。……そんな感じ、かな?」



 あぁ、ごめんなさい、睨まないで。



「ま、良いけどよ。そっちの方が楽に稼げるってもんよ。少し癪ではあるけどな」


「まぁ、ツユだもんね」



 ヘッドさんはまだしも、ミズキからも「ツユだから」という言葉が出てしまった! 


 うぅ、本格的に私の存在意義が失われていく気がするよ……。



《プレイヤー『ツユ』がレベル39からレベル41になりました》

《従魔『クロ』がレベル34から36になりました》

《ステータスポイント10を獲得しました》

《『81ゴールド・90シルバー』を獲得しました》



◇ ◇ ◇




 結果だけ言えば……丸く収まったの。……のかな?


 駄弁ってたら全滅したんだし、多分そうでしょ。


 そして私たちは今、戦利品の整理をしている。



「超呆気なく終わったなぁ……」


「戦争ってなんだったっけ?」


「世紀末。……ぁ……ぁ、核爆弾が……目の前に……」



 本当に、予想してたものよりもめちゃくちゃあっさりと終わった。


 多分30分くらいかな。『エクスプロージョン』を連発してたら、いつ間にか白い旗が無くなってた。


 それよりもフレアさん、さっきから大げさですよ。


 というか今、私のことを核爆弾って言いましたっ!?


 まぁ、完全には否定できないんだけど……残念ながら。



――『収納ボックス』――

――【INVENTORY】――

・『蝶紋の金貨』×33

・『虎紋の金貨』×28

・『龍紋の金貨』×23

・『(UR)緑の聖珠』×8

・『(UR)赤の聖珠』×5

・『(UR)青の聖珠』×3

・『(SSR)暗黒大剣』

・『(SR)バーニングシールド』

・『アイアンソード』×87

・『アイアンアクス』×64

・『アイアンシールド』×76

・『HPポーション』×330

・『MPポーション』×467

・『SPポーション』×492

(etc)

――――――――


 

 目立つのはこんなところかな。


 プレイヤーが死ぬと、着ている装備とイベントアイテム以外のアイテムをひとつからいつつ、お金は半分を失う。それらは倒したプレイヤーの物になる。


 こうして見ると、どんなアイテムがよく使われているのかが一目瞭然だね。



 何故か金貨系のアイテムが多いのは、これを使った何かが流行っているからだそう。


 その何かとは、詳しくは誰も知らなかった。



 聖珠が多かったのは嬉しい。


 これはいくつあっても困らなそうだしね。


 

 武器と盾。


 レア度が高い物は当然少ないけれど、アイアン系は多かった。


 どうやら、装備が壊れた時の為の予備らしい。



 ポーション。


 HP、MP、SPを回復するポーションがそれぞれ300個以上はある。


 私は使わないけど、他のメンバーはポーション代が浮くと喜んでいた。







 最後はお金の分配。


 今回手に入れたのは約1千ゴールド。


 みんな絶句してた。私もだけど。


 とりあえず、ここにはいないギルドメンバーも含めて、一人100ゴールドずつ。


 残りの300ゴールドは、ギルドの資金にしよう。ということになり掛けていたのに、ミズキが変なタイミングであるものに気づいてしまった。



「ねえ、あのガチャって何? ――え? お金で回せるの? ツユ、回してみてよ!」



 それを聞いたヘッドさんとフレアさんも、何故か興味を持ってしまったご様子で。



――『(UR)黄金のガシャポン』――

・自宅又は自分が所属するギルドの拠点に設置可能

・LUKが500以上で使用可能

・1ゴールド消費で使用可能

――【EFFECT】――

・使用するとランダムでR以上のアイテムを入手できる

・レア度はLUKに依存する

――――――――



 まあ、数回ぐらいなら別に良いかなと思って引いてみたら、カプセルが落ちてきて、それを開けてみると、



『(UR)収納バッグ』



――『収納バッグ』――

・容量=100

・持ち運び可能

――――――――



 あ、これダメなやつだと確信した。


 しかし、他の三人はどうだろう。


 一回目でこんなレアが出たのに、それでやめようと言い出すかな? 答えは否。


 というか、数回というのは私の勘違いで、「とりま100連がんば」と言われました。


 え? これを100回だよ? いよいよチートを使っている使っていないに限らずBANされちゃうんじゃないかな?


 って言ったら、流石にわかってもらえたようで、特別にと10連にしてもらえました。


 ……それでもあと9回。いや大丈夫! 私は明日運営さんと会うことになってるから、その時にBANしないでくださいと全力全霊を以ってお願いしようそうしよう。




『(SSR)スキル巻物〈認識阻害〉』


――『認識阻害』――

・使用中SP消費

――【EFFECT】――

・認識を疎外できるが、既に見つかっていたり、長時間見られてしまうと効果が無い

・目立つ行動や攻撃をしてしまうと効果が切れる

――――――――




『白龍の龍鱗×100』




『(SSR)スキル巻物〈飛弾操作〉』


――『飛弾操作』――

――【EFFECT】――

・自分又は相手の飛び道具、飛弾系魔法及びスキルを、攻撃直後に操作することができる

・止めたり、威力や速度を落とすことは不可能

――――――――




『(SSR)スキル巻物〈鑑定〉』


――『鑑定』――

・パッシブスキル

――【EFFECT】――

・通常の情報に加えて、所持スキルや魔法、弱点などの情報を見ることができる

――――――――




『(UR)精鉄の槌』


――『精鉄の槌』――

・スキル『鍛冶』で使用可能

――【EFFECT】――

・鍛冶の成功率が大幅に上昇する

・作成時の素材の消費を半分に抑えられる

・作成したアイテムには能力が必ず付与される

――――――――




『(SSR)氷帝のエンブレム』


――『氷帝のエンブレム』――

・加工品

――【EFFECT】――

・これを付与させたアイテムを装備すると、水、氷属性の威力が増加し、水、氷属性の耐性が上昇する

・水、氷属性の魔法、スキル使用時に、HP・MP・SPの消費量を20%抑える

――――――――




『(SSR)商店キット』


――『商店キット』――

――【EFFECT】――

・自分の家を商店に改築できる

・空き地に商店を建てられる

――――――――




『(UR)竜の金の卵』


――『竜の金の卵』――

・アイテムを与えると孵化するかも……

――――――――




 ふぅ、なんか凄いのばかり出てるけど、後一回でこの冷や汗が止まることを祈ろう。


 1ゴールドの金貨を取り出し、それを投入口に入れる。


 そして回す。


 …………ん?



「ツユちゃん? どうかしたの?」


「な、なんか詰まったらしくて……回りません」


「回らない?」

「そんなことあんのか?」



 金色半透明のガラス越しに中を見ても、カプセルはまだまだ沢山ある。無くなった様子はない。

 

 というか、減ってる気がしない。


 そこでフレアさんは、無理やり回し始めた。


 大丈夫かな? 壊れないかな?


 

「っと、回ったわよ!」


「おぉ!」



 ガシャンと音を立て、出てきたカプセルを手に取ってみる。



『(LR)白龍鱗のショットガン』



《称号『LRアイテムゲット!』を獲得しました》



「へ?」

「あら?」

「なんだこれ」

「レジェンド……」



 これ、ガシャの中に戻すことってできますか?




「「「「……………………」」」」



 ………………。



 …………。


 

 ……。



「「「はあぁぁぁぁぁあああ!?」」」






――【ツユ】――

・LV「54」《転生可能》

▷MONEY「11,742,380」

▷CASINO「40,000,000」

――【STATUS】――

・POINT「140」

・HP「500/500」

・MP「500/500」

・SP「500/500」(100)

(全ステータス20%上昇)

▷STR「24603」(MAX)(200)

▷VIT「24603」(MAX)(740)

▷INT「24603」(MAX)(20)

▷DEX「24603」(MAX)(20)

▷AGI「29523」(MAX)(520)

▷LUK「916353」(MAX)(50)

――――――――


――【クロ】――

・個体名「ブラックアーマードラゴン」

・LV「50」《転生可能》

――【STATUS】――

・HP「2500/2500」

・MP「2500/2500」

・SP「2500/2500」

・STR「442808」(MAX)

・VIT「442808」(MAX)

・INT「442808」(MAX)

・DEX「442808」(MAX)

・AGI「442808」(MAX)

・LUK「442808」(MAX)

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