Episode 4「UR」

――【ツユ】――

・LV「4」

▷MONEY「45,000」

――【STATUS】――

・POINT「15」

・HP「40/40」

・MP「40/40」

・SP「40/40」

▷STR「8」(5)

▷VIT「8」(20)

▷INT「8」

▷DEX「8」

▷AGI「9」(10)

▷LUK「181」(30)

――【WEAPON】――

▷右手「鉄の短剣」(納刀中)

▷左手「鉄の短剣」(納刀中)

――【ARMOR】――

▷頭「――」

▶手

 ▷右「――」

 ▷左「――」

▷胸「革の胸当て」

▷腰「革のズボン」

▷足「革のブーツ」

▷その他「――」

――――――――


――【INVENTORY】――

▷『スライムの魂石』×30

▷『スライムの上魂石』×5

▷『(SR)道化師のナイフ』

▷『(SR)スキル巻物〈ラッキーダイス〉』

――――――――


――『(SR)道化師のナイフ』――

・使用条件:無し

・一流の道化師が使う短剣。手に持つだけであらゆる命中率が上がるとか……

――【STATUS】――

・STR=30 

・AGI=50

――【EFFECT】――

・あらゆるパーセンテージが10%上昇する

――――――――


――『(SR)スキル巻物〈ラッキーダイス〉』――

・使用条件:LUK100以上

――【EFFECT】――

・スキル『ラッキーダイス』を獲得

――――――――


――『ラッキーダイス』――

・1日1回使用可能(ゲーム内時間)

・SP100消費

――【EFFECT】――

・使用するとランダムで1~6の数字が現れ、1分間、入手したアイテムを数字の分だけ倍増して入手できる

――――――――



「う~ん、イマイチよくわかんない」


「なんかもう突っ込むのも馬鹿らしくなってきたけどさ、これ、めっちゃ強いからね?」



 ゲームを始めて二日目の朝、美玲改めレイミーから、画面の文字に触れることによって効果を調べることができると教えてもらった。「知ろうとすることが大事なんだよ」と一言添えられて。


 試してみたら、中々に便利だった。


 よくわからない言葉に触れると、それの説明やヘルプが出現して、おかげでわからなかったことが芋づる式でどんどんわかるようになっていく。



「ツユ。この『(SR)道化師のナイフ』、条件無いし、今すぐ装備してみたら?」



 ステータスも効果も、初期装備より優れているし、そっちの方が色々得しそうだし、従って損はないかな。



「うん、わかった」

 


 ステータス画面を開いて装備する。


 すると現れたのは、は赤と緑でカラフルに塗装され、思ったよりも刃がとても鋭い、かたち的にはフルーツナイフのような物だった。


 というかこれ――――


 

「片手にしか装備されてない……」


 

 道化師のナイフを持っているのは右手で、左手に取り出したナイフは、初期装備ままだった。


 そこで、レイミーが見解を言ってくれた。



「ふむふむ。多分、短剣みたいな片手ずつに装備できる武器も、片方でひとつのアイテムとして扱われるらしいね。良かったじゃん!」


「え、なんで?」


「いやだってさ、例えばこの道化師のナイフには、この武器専用の効果があるでしょ?」


「あるね」


「ふたつ装備しても単体のアイテムとしてそれぞれが効果を発揮するなら――――」



 あっ、なるほど!



「効果が倍増する?」


「そう、大正解! それに、別の武器を装備すれば、複数の能力を発揮することもできる。ハッキリ言って強すぎだね」



 確かに……。


 私が入手しておいてなんだけど、ゲームバランスが壊れたりしないよね?



「あと、スキルの巻物もツユと相性バツグンだし、使ってみたら? SPが足りないから、すぐには使えないと思うけど」


「そうだね。習得する分には損はないしね」



 アイテムのインベントリから巻物を選択して使用する。



《スキル『ラッキーダイス』を獲得しました》



「これで完了」


「よっし。ツユも、私のおかげで少しはシステムを理解できたわけだし? 今日は狩りまくるぞー!」


「間違ってないから言い返せない……」




◇ ◇ ◇




 狩って勝って狩って勝って狩りまくった。


 スライムしか倒してないけどね。


 でも、道化師のナイフを装備したことによって、今まで15発で倒してたのに、3、4発で倒せるようになったのは大きいかな。


 レイミーは私の遠くの方で、スライムなんて雑魚とでも言うように一撃で終わらしてるけど……。




 辺りを振り返ると、昨日より木箱が出現する頻度が多い気がする。昨日は30体くらい倒して3つでしょ? でも今日は、倒した数は少し多い40、50匹くらいなのに対して7個ある。


 ドロップアイテムも多いし。


 もしかして、このナイフのおかげかな?


 〝あらゆる確率が10%上昇〟。これって、アイテムのドロップ率にも関わったりするのかな……? もしそうなら、本格的にゲームバランスがおかしくなるんじゃ……。


 ま、まあ、運営側製作者さんたちもそんな簡単にミスするわけ無いし、考え過ぎだよね。


 そ、それに、狩りをする前に、ステータスポイントも全部運に振っておいたから、きっとその影響もあるんだよ、うん。


 よしっ! そんなことは忘れて、開錠開錠!


 まずはひとつめ!



――【成功報酬】――

・『17シルバー』

・『(SSR)聖樹の杖』

――――――――



《称号『SSRアイテムゲット!』を獲得しました》



 なんかレア度が増えてるけど、杖は要らないなぁ……レイミ―にあげるから別に良いけど。 


 ふたつめ!



――【成功報酬】――

・『12シルバ―』

・『(SR)生死セイシ彷徨サマヨタマシイノローブ』

――――――――



 な、なんか厨二っぽいし、死神が着てるマントみたいな色合いや姿をしている……。


 でも、これは私にも需要じゅようありそう。


 よし、じゃあ次を――――



「ちょおおっと待ったあああ!」



 レイミーの声……じゃない!?


 って、YES押しちゃった。



――【成功報酬】――

・『13シルバー』

・『(SR)道化師のナイフ』

――――――――



 おぉっ!


 一番欲しい武器来た! ラッキー!



「おい、そこの嬢ちゃん!」



 しかし喜びの余韻を邪魔するやからが一人。

 


「えっと、なんですか? 欲しい武器が出たので喜びたかったんですけど」


「え……あ、そりゃすまん。じゃなくて! この宝箱、全部嬢ちゃんのか!?」


「そうですけど?」



 もしかしてこいつ、レイミ―が言ってたPK!?

 


「おっと、そう警戒せんでいいさ。この宝箱やアイテムの量を見たら、誰だって驚く」


「はあ……」


「勿論、俺はそれを渡せとか言うつもりは無いぜ? ただ、もし良かったらなんだけどよ、要らない装備があったら、是非俺の店に売ってほしいんだ。金ははずむ。なんなら、物々交換とかでもいい。いや、売らなくても良いから、一度、俺の店に寄ってかねえか? 向こうに居る嬢ちゃんも連れて、な」


 

 そう言って野原の丘でせっせとモンスターを倒すレイミーを見るダンディーなおじさんは、レイミーが言うところの強面って感じがする。でも、優しそうで信用はできそう。



「わかりました、メールで伝えます」


「おう、サンキューな」



 これまたレイミーから教わったフレンド機能から、簡単な状況説明と「戻ってきて」と一言添えてメッセージを送る。


 待っている間、残りの木箱を開錠しよっと。



――【素朴な木箱☆3】――

・成功率100% 大成功率25%

▶開錠しますか? ▷YES

         ▷NO

――――――――



「おいおい嬢ちゃん、この成功率はなんだ!? あんた、身なりからして初心者かと思っていたが――――」


「初心者ですよ。まだ昨日始めたばかりなんで」



――【成功報酬(大成功)】――

・『30シルバー』

・『(UR)エンジェルリング』

――――――――



《スキル『神開錠』を獲得しました》

《称号『URアイテムゲット!』を獲得しました》



「おいおい、これ……木箱だよなあ?」



 大成功と表示され、手に入れたアイテムは、名前のまんまの〝天使のわっか〟だった。



「か、可愛い!」


「嬢ちゃんすげえぜ。木箱からURウルトラレアが出るなんて……ほんとに昨日から始めたのか?」


「はい。おかしいですか……?」


「おかしいと言うか、まあ…………おかしいな」



 レイミーもこの人も、私は普通に遊んでるだけなのになぁ。



「ツユー! どしたのー、ていうかその人誰?」


「お、来たな。いきなりだが、ここじゃなんだし俺の店に来ねえか? 悪いようにはしねえ」


「え? あ、はい。事情はなんとなく聞いてますが。――――この人どこかで……?」


「レイミー? どうかした?」


「あ、いや、なんでもないよ。…………あの、おじさん? ツユに危害を加えないって約束できますか?」


「俺はヘッド、ヘッドって呼んでくれ。勿論、危害を加えるつもりは無い。信用できないってんなら、一時的にでもパーティーを組もうぜ。そしたらPKはできない。どうだ?」


「わかりました」



 二人の会話を他所よそに、私は木箱を開錠する。



――【成功報酬】――

・『8シルバー』

・『(SR)金の鍵』

――――――――


――【成功報酬】――

・『12シルバー』

・『(SR)聖銀の巨斧』

――――――――


――【成功報酬(大成功)】――

・『31シルバー』

・『(UR)エンジェルウィング』

――――――――



《スキル『開錠』が『鍵師』に進化しました》

《スキル『幸運』が『超幸運』に進化しました》



「お、だいせいこ――――」


「マジで!?」

「またか!?」



 うわっ!? ……ビックリしたぁー。


 このゲームを始めてから、驚かされてばかりな気がするんだけど。主にプレイヤーに。



「え、ヘッドさん今、またか、って言いました?」


「あ、ああ! さっきも横で見てたんだがよ、これで二回目だぜ!?」



 エンジェルウィングも名前通り、天使の羽だった。ていうかめっちゃ可愛い。


 しかも、同じシリーズのリングと合わせて装備したら、めっちゃ良さそう。


 よし、早速つけてみよう。



――【WEAPON】――

▷右手「(SR)道化師のナイフ」

▷左手「(SR)道化師のナイフ」

――【ARMOR】――

▷頭「エンジェルリング」

▶手

 ▷右「――」

 ▷左「――」

▷胸「生死彷徨ウ魂ノローブ」

  「エンジェルウィング」

▷腰「革のズボン」

▷足「革のブーツ」

――――――――



 とりあえず、さっきゲットしたアイテムをできるだけ装着してみたけど……魂ノローブと天使シリーズと道化師のナイフ、合わなすぎる……!



「うわっ、すごいねぇー。おっ、道化師のナイフ二本になってんじゃん! 良かったね!」


「……しっかし、似合ってねえなあ」

「……だね」



 ですよねー。




――【ツユ】――

・LV「6」

▷MONEY「173,000」

――【STATUS】――

・POINT「0」――当然LUKに全振りした――

・HP「60/60」(?)

・MP「60/60」(?)

・SP「60/60」(?)

▷STR「10」(60)

▷VIT「10」(?)

▷INT「10」

▷DEX「10」

▷AGI「12」(100)

▷LUK「288」(?)

――――――――






――【※】――

・【INVENTORY】とはインベントリのこと

・()の中のステータスが作中で解明されていないところは〝?〟で隠しています

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