交易都市メルロディン -夜- 2

 そんな話をしているうちに、二人とも注文し、少ししてウェイトレスが運んで来た。



 俺は肉料理、レイムは魚料理に手をつける。



「おいしいの、それ」



 と、フォークをちょいちょいとさせながら、一緒に頼んでいたビールを指す。



「あぁ、うまいぞ。飲むか?」



 とジョッキを差し出してみるが、彼女は眉をひそめて首を横に振った。



「いらない、そんなのよりクレリッツの方がおいしいし」



 とレイムは自らの手元にあるグラスに入った透明の飲料を飲む。



 見た目はサイダーに近いが、味はもっとフルーティらしく、この世界の代表的な飲み物のひとつである。



「舌が子供だな」



 と茶化すと、



「子供よ、見ての通りね」



 彼女は舌をべえっと出してそう言った。


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