せめてもの弔い
夕暮れの赤い陽に射されながら、俺は血に塗れた地の上に立っていた。
「ロズリック…いつも言うけど、そんなの作らなくたっていいじゃない」
少し離れたところからそう言い放ち、自らの銀色の髪を弄びながら、冷ややかな目で俺を見る少女の名はレイム・レイラ。
「そういうな、これは自己満足の罪滅ぼしなのだから」
俺の言葉にレイムは呆れるようにため息を吐いた。
ため息をを吐きたいのは、こちらだってそうだ。
「全く、もっと外道だとやり易いのだがな。リーティアもそれをわかって年端もいかない少年少女をこの世界へ連れてくるのだろうが」
先程この手で殺めた少年に土を被せ、わずかに盛り上がった土の山を見る。
簡単な墓とはいえ、作るのにはやはり時間を要する。空高くにあった陽はすっかり傾き、あたりは闇に包まれ初めていた。
「陽が暮れる。帰ろうか」
俺の言葉に対して、レイムは深いため息をついて「一体だれのせいで」と悪態をついていた。
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