第17話 映画後
「さ、最高だった!!!」
映画を見終わった俺のテンションは最高潮に達していた。
「泣けたー!」
「だな!もう大号泣!」
「最後の告白はヤバかったよね!」
「あのシーンはずるいな」
俺たちはファストフード店に移動して映画の感想を語り合っていた。
お互い泣きすぎて目が真っ赤になっていた。
「ね~。あんな告白されたら絶対に受け入れちゃうな~」
「やっぱり九条さんもああいうのに憧れるの?」
「そりゃあね、女子ならだれでもロマンチックな告白に憧れるものよ!」
そう言われて、俺はあの二人に告白をした時のことを思い出していた。
ロマンチックの欠片もなかったことに、なんだか申し訳なさを覚えた。
「まぁでも、好きな人に告白されるなら場所なんてどこでもいいんだけどね」
「トイレでも?」
「それは極端すぎじゃない?まぁ、柏君が相手なら受け入れるけど」
「冗談で言ったのに……」
そう言われると、冗談ですまなくなるんだが?
「そんなこともちろん分かってるよ~。柏君からの告白だったら、どんな場所でもどんな場面でも受け入れるってこと」
「それって、俺に物凄いプレッシャーかかってない?」
「え、それって、私にいつか告白してくれるってこと!?」
「あ、いや、今のは違くて、言葉の綾だって」
俺はどうして今、あんなことを言ってたんだろうか。
完全に無意識だった。
今のところ響に告白をする予定なんてないというのに……。
「ラブコメだと、さっきの言葉はフラグだけど?そう受け取っていいのかな?」
「わ、忘れてくれ……」
「無理だよ。しっかりと私の耳に刻み込まれたから」
そう言った響は今日一の笑顔をしていた。
自分で盛大にフラグを作ってしまったことになんとも言えない気持ちになった。
俺はその気持ちを切り替えるためにハンバーガーにかぶりついた。
「うまい」と呟いて話題をハンバーガーに向けようとした。
「私も食べよっと!」そう言って、響もハンバーガにかぶりついた。
どうやら話題をうまくハンバーガーに逸らせれたらしい。
俺はホッとして、もう一口ハンバーガーにかぶりついた。
「この後は、どうするんだ?」
「この後?何も予定は考えてないよ。今日は映画に行くのが目的だったからね」
「じゃあ、ここで解散か?」
「なに〜?もしかして、まだ私と一緒にいたいの?」
響はわざとらしくニヤッと笑ってそう言った。
こうもわざとらしく言われると、反撃したくなるな。
「そうだな。もう少し一緒にいたいかな」
予想外の俺の発言に響は「ふぇ!?」と変な声をあげた。
「ほ、本当に言ってる?」
「うん」
「し、仕方ないわね〜。柏君がそこまで言うなら、もう少し一緒にいてあげてもいいわよ!」
照れ臭そうに響はそう言った。
「じゃあ、決まりだな」
「でも、どこに行く?」
「そりゃあ、映画を見に行った後のラブコメ定番といったらあそこしかないだろ」
「なるほどね。映画後は一緒にご飯かあの場所しかないわね!」
☆☆☆
二人はどこに向かうでしょう?笑
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