第6話 古代文字の封印とは


「では、私は外で待っていますので、終わりましたらお声がけしてください」

「「「ありがとうございます」」」


 俺たちはピートさんに頭を下げて地下室に入る。


(何だここは!!)


 中は図書館のようになっていて驚く。そして奥に進んでいくと、眼鏡をかけた一人の男性が座りながら本を読んでいた。


「あの......。リックさんですか?」

「あ、はいそうですが。あなたたちは?」

「国王様に古代文字について知っている人物がイルト言われてここへ来ました」


 すると、リックさんは驚いた表情で俺たちを見てきた。


「あなたたちは古代文字を知っているのですね」

「はい」


(まあ世間でも知っている人は増えているだろうけど)


 俺たちが古代文字を発見する前までは、知らない人も多かっただろうけど、古代文字が公になってしまった以上、存在を知らない人の方が少ないだろう。


「もしかして古代文字を解読した人たちですか!」

「え、えぇ」

「でしたらこちらへ来てください!」


 言われるがままついて行くと、殴り書きで書かれていた紙を見せられた。


「この紙には私が古代文字についてどう思ったかを綴ってあります」

「よ、読めない」


 シェルがそう言うと、リアも頷いていた。


(俺だって読めないよ)


「申し訳ないです。私の見解としては、古代文字に何かしら封印されていると思うのですよ」

「え?」


 なんでそれを知っているんだ? もしかしてこの人も古代文字を読めるのか?


「違いますか? 私は古代文字を読めないので分かりませんが」

「じゃあなんでそう思ったのですか?」


 リックさんがハッとした表情になって言われた。 


「あ、自己紹介がまだでしたね。私は魔法評論家です。それで古代文字にも少量ですが魔力があることが分かりました」

「実際に見たと?」

「はい。数年前ですが、運よく古代文字を発見しましてね」


 するとリアはリックさんに近づきながら尋ねる。


「それはどこでですか?」

「それが、私もあの時、切羽詰まっていて覚えていないのですよ。本当に申し訳ございません」

「い、いえ。こちらこそ突然質問してしまって申し訳ございません」

「それで話を戻しますが、こう思ったのですよ。古代文字は世界各国のどこかに隠されていて、そこに何かしらが封印されていると」


 俺は目を見開いてリックさんを見た。リックさんの発言の中で、世界の理という言葉を言っていない以上、この存在は知っていない。それなのにここまで真理にたどり着いている人が居る事に驚いた。


「それでどうなんですか?」


{シルフ、サラマンダー、言っていいことか?}

{まあ、ここまで知られているなら行っていいと思うぞ}

{僕もそう思う}


「はい」


 すると、リックさんはやっぱりかって表情をした。


「ですよね。ここまで研究してきてよかった。それで、古代文字の話ですが、私が知りえた情報を皆さんにお伝えする方針でいいですか?」

「はい。助かります」

「今予想していることですと、古代文字には魔族も封印されているかもってことです」

「......」


 そこまで予想がついているのか。


「私の予想ですが、何かしら世界で危ない状況が起きて、それを食い止める存在たちが検討したが封印されたと思っています」


(すごい)


「そして、それは食い止める存在以外にも該当します」

「え?」

「封印した側にも、力を制御できない存在や指示に従わなかったけど、脅威になる存在がいると思います。そう言う存在を封印したのだと推測しています」


 言われてみればそうだ。俺が今まであったのは精霊だったけど、リアの父さんが封印されているみたいに、他にも魔族が封印されている可能性はある。そしてそれは、リアの父さんみたいに善意の心があって封印されたわけではなく、力が制御で着なくて封印された存在もいるはず。


「なので、古代文字を解読するときは気を付けてください」

「わかりました。後、もう少し信頼関係を置けたらお伝え出来ることもあるので、その時まで待っていただけると助かります」


 ここまで言ってくれたんだ。俺だって何かしら伝えなくてはいけない。でも、伝えて言い情報が分からないし、この人が信頼できる存在なのかすらわからない。だから 調子の良いことを言っているが、少し様子見をさせてもら居たかった。


「わかっていますよ。私は一評論家。いや、研究者としてやっているまでですので、研究が無駄じゃなかったと知れただけでよかったことですよ」

「そう言ってもらえると助かります」

「はい。では今後ともよろしくお願いいたします」


 そして、俺たちは地下室を後にして、王室で一泊することになった。その時、部屋にリアが入ってきた。

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