第5話 国王との面会
中には、国王及び宰相、そして近衛兵の数人が待っていた。
「お初にお目にかかります。リアムと申します」
「エルフの国、第三王女のミシェル・スチュアートです」
「アメリアです」
俺たちが頭を下げながら挨拶をすると国王が少し驚いた顔で俺の事を見ながら、咳ばらいをして言った。
「頭を上げてよろしい。いや、上げてくれ。私は別に国王だからって偉そうにしたいわけじゃないから」
言われるがまま俺たちは頭を上げる。
「人族の国王、グリーン・アーデレスだ。それで要件とはなんなんだ? それもエルフの国の王女様が来るぐらいだ。重要なことなんだろ?」
深呼吸をして、平常心を保ちながら発言をした。
「人族が
「あぁ」
「その犯人がロ子爵家であるードリック家です」
すると、国王は椅子から立ち上がった。
「それは本当か?」
「はい」
少し胸がチクリとした。俺もできれば言いたくはなかった。実家がこんなことをしたんてことを。
「そうか。知らせてくれてありがとう」
「はい。それでロードリック家に罰則をしてもらいたいです」
「それはもちろんだ」
国王がそう言ってくれてホッとした。今のロードリック家は地の果てまで落ちてしまった。なら、国王から罰を与えてもらって、もう一度最初からやり直した方がいい。
「では、これで俺たちは失礼いたします」
俺たち三人が頭を下げてこの場を去ろうとした時、国王から止められた。
「ちょっと待て。知らせてくれたお礼をしたい。まだ確実というわけではないが、エルフの国の王女が言っているのだから信憑性はあるはず。ならお礼ぐらいさせてほしい」
「いえ、お礼をしてもら居たくてお伝えしたわけでは無いので」
すると国王は少し悩んだ顔になりながら言った。
「この場にいる者たちよ。席を外してくれないか?」
国王がそう言った瞬間、この場にいる人たちがざわつき始めた。
「ここからは聞かれたくない内容だ」
「ですが」
「あぁ。一人は残す。だからこの人たちを連れてきたピートだけ残す」
「わかりました」
そして、王室には俺たちと国王、ピートさんだけになったところで
「リアムよ。お主、古代文字を解読したと噂の人よな?」
「......」
(なんでバレているんだ)
でも、すぐさま理解する。古代文字の発見をしたのが俺とシェルと世間で知らされている。そして解読もその後すぐできたと噂が流れた。そしたら俺と言う目星が付いていてもおかしくない。それも国王だ。情報は俺たちよりも持っているに決まっている。
「言わなくてもよい。今回の件、知らせてくれたお礼として、古代文字の情報を知っている人物がいるから会ってみるといい」
「え?」
「まあ厳密には私も知らないが、この国に仕えている一人が知っているから、そいつに聞いてみてくれ」
「わ、分かりました。ですが本当にいいのですか? こんな情報を俺たちに知らせて」
そう、俺たちは今日初めて会った人であり、信頼云々前の存在だ。そんな人に貴重な情報を伝えるなんて......。
「いいんだ。それに私も世界の理は知っているからな」
「な......!」
「そう言う行動は慎んだ方がいい。私は別にリアムを利用しようとは思っていないが、他の種族は違うかもしれない。だから考えてから行動したほうがいいぞ」
「ありがとうございます......」
国王様が言う通りだ。今の行動で俺が古代文字の解読をしたと言っているようなものだったのだから。
「ピートよ。リックのところへ案内してやれ」
「わかりました」
「お主らには期待している。だからもし力が貸してほしくなったら言ってくれ。必ず欲する時期が来るから」
「ありがとうございます」
そして、俺たちが王室を出ようとした時、国王様が何かボソッと言ったが聞き取れなかった。
「え...うがや..あ..れ.か」
その後、ピートさんの案内の元、地下室へ行った。
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