第10話 ロードリック家の仕打ち
「リアムさんたちはここで待機していてください」
「いや、俺も戦いますよ」
俺が言ったのに続くように、ミシェルとアメリアも頷きながら言った。
「「戦う(よ、います)!」」
「ですが、客人であるあなた方を戦わせるわけにもいきません」
モールト王子は申し訳なさそうにそう言った。王子がそう言うのもわかる。国の問題に対して客人を戦わせるわけにはいかない。でもそれが本当に国の問題ならだ。
「今回攻め入っているのは、人族です。同種族が攻め込んでいるのに戦わないわけにはいきません。それに......」
もしかしたら、今回攻め入ってきたのは、俺たちのせいかもしれない。まだ二日しか経っていないが、こんなタイミングよく攻め込んでくるとは思えなかった。
「......。分かりました。でも無茶だけはしないでください」
「「「了解」」」
俺たちは、王宮を出てすぐさま戦闘が行われているところへ向かった。そこには
(ひどい......)
なんで、こんなことを。そう思ったが、今はそんなこと言っていられない。今は一人でも多く
俺たちあたり一面を見回して、
「ひっ!」
「大丈夫です。俺たちは味方です」
怯えるのもわかる。俺は人族だ。そして殺されかけたのも人族である以上、恐れられるのが当然だ。
俺はティターニアの力を使って、
「え? あ、ありがとうございます」
「早く安全なところへ向かってください」
そこでふと思い出す。
「ミシェルもティターニア様の力を使って
「わ、分かったわ」
「アメリアは、あたりに人族がいないか探して、見つけたらいち早く俺たちに知らせてくれ」
「わかった!」
俺とミシェルで、
「左方向に人族三人がいる!」
「「ありがとう!!」」
俺たちは、人族がいる方向に向かう。すると、
{シルフ!}
{わかった}
人族たちを風魔法で吹き飛ばす。
「大丈夫ですか?」
「え、えぇ」
「早く逃げてください」
(クソ)
風魔法でここをかぎつけたか。
「お前何してんの?」
「お前たちこそ何をしているんだ!」
「何って見ればわかんだろ。
全員が不気味な笑みを浮かべて、一人の男性が俺たちに言った。
(
「なんでそんなこと」
「それはお前には関係ないだろ。いや、関係はあるか。なぁリアム様」
そう言って、俺たちに攻撃を仕掛けて来た。ミシェルが風魔法で数人を吹き飛ばすが、人数が多すぎて捌ききれなかった。そして、ミシェルが魔法を撃った瞬間の隙をついて、斬りかかってきた。
(やばい!)
俺が駆け寄っても間に合わない。そう思った。
だが運よくアメリアが近くによって、その攻撃をさばいて、攻撃してきた男性を吹き飛ばした。
(よかった)
その後も、俺とミシェルで人数を減らしつつアメリアが俺たちのカバーをする方向で戦った。その時、一人の男性が
(これが街に使われたら)
(どうする......)
その時、サラマンダーが話しかけてきた。
{俺の言った通りにしろ。俺とシルフの魔法を合わせろ}
{わかった}
俺は、サラマンダーの言われた通りに右手には風魔法を、左手には火魔法を使って
(......)
俺は、人を殺したのか......。そう思いながら、燃え盛った人たちを見に言ったら、見覚えのある紋章がつけられていた。
(!!)
なんでここにロードリック家の紋章があるんだ......。
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