03 交(まじ)える
「いざ!」
どちらともなく言い出したかけ声と共に馬を馳せ、弓を構えて騎射の姿勢を取る。
ひょう。
最初に射たのは
その素早い矢の何本かを良文は身を低くして
「うぬっ」
「やりおる」
すわ、弓は
「くっ」
矢は
だが二の矢が
「ふんっ」
今度は跳び上がって乗馬して矢を避ける。
そしてそのまま矢を弓につがえる。
「食らえっ」
「むっ」
だがその太刀を抜くため、
もはやこれまでと、
だが、
「……いかがされた?」
「矢が」
「矢が?」
「
「……ふ」
何とも言えぬ
勝負せんと思いきや、勝負は分けた。
郎等の燻ぶった
「もう、やめぬか」
「応」
……いつしか近寄ってきていた郎等に向かって、二人は言った。
「われら弓を競ったが、勝負はつかぬ」
「よって、われら、かように争うのをやめることにした」
「だから、やめる」
「争うは、無益」
いつしか肩を抱き合っていた
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