訓練
その光景が、酷く目に焼き付いた。
忘れようとしても忘れられない。忘れさせようとされても忘れられない。
忘れようとしてるのに、忘れたくない。
多分一生忘れられない光景だった。
人生で一番のショックを味わう光景だった。
そしてその光景は、自分の奥底に残り続け、原動力にもなっていたのかもしれない。
敵討ちをしないと、申し訳ないと思ったから。
たとえ自分が悪くない。親友も悪くないのに、さっきまで一緒に遊んでたのに親友が殺されるのは、納得がいかないから。
===
記憶を失ってから数時間後、目を覚ました。
ぼくが目を覚ますと、周りにいる人も続々と目を覚ましていった。
そして前には王様と、周りには女性たちが二人増えていて、そして周りには兵士たちがいた。
だが、王様の前に友達の姿はなかった。
ぼくがどうすればいいのか迷っていると
「一列に並べ、順番はなんでもいい」
そう王様に言われるとみんな一列に並んでいく。
順番は滅茶滅茶で剣道部やバスケ部やバレー部が入り組んで並んでいた。
そして王様の周りにいた四人の女性が前に出てきて、一番先頭にいる生徒に手招きをする。
その生徒がそのうち二人の女性たちの前に来ると、その生徒の頭に手をかざして、何かを唱えた。
そうすると、その女性たちの手が光だし、光終えると後ろにいる二人の女性になにか言った。
そしてそれを聞いた二人の女性は紙になにかを書いていった。
そしてついにぼくの番が来た。
二人の女性がぼくの頭の上に手を置き、何かを唱え、手が光りだした。
そうすると二人の女性が少し驚いて、後ろの女性に報告する。
「勇者です、この者は勇者です」
そう聞くと後ろにいた二人の女性も少し驚いて、そしてその後ろにいた王様も驚いた。
そして下がってよしといわれたので下がることにする。
そして全員が終わったころに王様が大きな声で僕たちに言う
「明日からは訓練に励んでもらう、もし逃げ出したりするものがいれば、罰則だ」
罰則という言葉に恐怖を覚える、脳裏に友達が殺しされた光景が思い浮かんできた。
その王様の言葉とともに兵士たちが、生徒一人一人に近づいていき「ついてこい」
と言って誘導する。
みんないうことを聞いて兵士についていった。
兵士についていくと一つの部屋に誘導された。
「入れ」と言われ、木の部屋を開けるとベッドと棚がおいてある小さな部屋があった。
ぼくはその部屋の中に入り、ドアを閉める
そしてベッドに向かってそして倒れこむ。
そしてそのまま目を瞑って眠ることにした。
ーーー
真っ暗な部屋、その部屋の中に一人の女性がいた。
黒いコートを羽織り、木の高級そうな椅子に座り、その椅子の前にある机にいる黒いハトに話しかけている。
「ふふっ、やっぱり成功だわ。人間が気持ちや精神が不安定になった時がやっぱり一番催眠魔法がかかりやすいわ」
その女性は机に肘をついてため息をつく。
「でも疲れたわ、二人でやったとはいえ、さすがにこの私でもあの人数を召喚するには大量の時間と道具、そしてあれが必要になるわね。
もう三日は魔法は使えそうにないわ」
そしてその女性は机に突っ伏して、そして突っ伏しながら独り言をつぶやいた。
「ああなるのは予想外だったけどいいわ、いても操れるもの」
そう呟きそしてそのまま眠った。
ーーー
気持ちよく寝ているとコンコンとドアがノックされる音が聞こえてその音に起こされる感じで起きた。
ドアを開けると兵士がドアの前に立っていて、「出ろ」と言われ、言われた通りに部屋を出る。
そうすると兵士が「ついてこい」といったのでついていく。
ついていくと広い庭みたいなところにでた。
そしてそこには兵士三人がいた。
その広い庭みたいなところには百人ほどの生徒と三人の兵士がいた。
兵士に「適当に座れ」と言われたので座る、草が固くチクチクして痛い。
そして兵士にこれから何をするかを説明された。
まず一列に並ぶように言われ、一列に並ぶと右と左とで分けられた。
そしてぼくは分けられず、一人残され、三人のうちの一人に教えてもらうらしい。
そしてその兵士に木剣を渡され、その兵士は木剣にクッションらしきものを付けた剣を持っている。
なにをするのかわからないでいると。
「容赦なく攻撃しろ」と一言言われ、その兵士は挑発するかのように手を動かしている。
なにがしたいんだ?と思いながらも指示に従い、じりじりとその兵士へと距離を詰めいてく。
そしてあと三歩でその兵士というところでその兵士が動いた。
姿勢を低くし、距離を詰めてくる。
僕はびっくりしながら脊髄反射で兵士の顔に木剣を横からたたきつけるように振る。
だが兵士はその攻撃を持っていた剣で受け流すようにして僕に剣を振るう。
そしてそれを僕は昨日のルール無視剣道でやったように左手で受け止める。
だがその剣を受け止めた瞬間左手が電流が流れたかと思うほどに痺れた。
兵士は受け止められたのをビックリしたのか一瞬止まったが、すぐに剣を振り上げもう一度ぼくに振るう。
それを前にこけるようにし、ギリギリでよける。というかそのままこけた。
そして兵士の足を取る。兵士が来ている鎧の冷たさが手に伝わってくる。
兵士は足を上げてぼくをどかそうとするが、その前に木剣を足に突き刺す。
足には鎧をつけておらず、皮でできたような靴だけだ。
込めた分の力がそのまま兵士に伝わる。なので兵士は痛みによるうめき声をあげる
そして兵士が鎧をつけていない足の関節に木剣を当てて、そしてそのまま木剣を押すそうすると兵士は後ろに倒れていった。
だが、その兵士の足元にいた僕を巻き込みながら倒れた。
だから兵士がぼくの上に乗るような感じになり、相当痛かった。
兵士は三秒ほど僕に乗っていたが気づいたように急いで退きそして僕に謝罪してきた。
「すまん、まさかこんなことになるとは」
兵士は頭に手を置いて少し申し訳なさそうな顔をしている。
でも二つ気になったので痛む所を押さえながら聞く。
「でもどうしていきなりこんなことしたんです?
あとなんで僕だけこんなことを」
周りを見てみると全員が兵士の話を聞いている。時々何人かがこちらを向いてくる。
そう聞くと兵士が答えてくれた。
「陛下がこの国がほかの国との戦争状態にあると言っていただろ?
その兵士として戦ってもらうために今訓練をしているんだ」
「でもなんで僕たちが?この国の人達じゃいけないんですか?」
「それは俺にもわからないが、でもお前たちを兵士にするために召喚した一つの確実な理由は、お前たちがこの世界の人たちと違って魔力保有量が高いからだ」
魔力保有量という僕たちの住んでいる世界では聞きなじみのない単語が出てきたので聞いてみる。
「魔力保有量って、そもそも魔力ってなんですか?」
そう聞くと兵士は、思い出したかのように言ってくる
「そういえば言いま忘れていたな、
魔力というのは魔法、まぁこのように火を起こしたり」
そういうと兵士は手のひらを上にする。そうするとライターほどの大きさの火が出てきた。
そして消えた。
「こうやって火をおこしたりできるのが魔法だ。そしてこの魔法を発動させるのに必要なのが魔力だ」
兵士にそういわれるが、あんまり納得できない気持ちになる。
そんな僕を見て兵士は
「まぁ日がたつことに慣れていくさ」
そう楽観的なセリフを残し、少し笑う。
そしてもう一つの質問も聞いてみる
「でもなんで僕だけがここでこうやって話してるんです?」
そういうと兵士は一つだけ「お前が特別だから」という言葉を残して違う話題に行った。
そんなプロポーズみたいなこと言われても。
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