僕に勇者渡されても
@kekumie
第1なぜか飛ばされた
「だからここはこう軍を動かして、そう囲ってしまったらはいぼくの勝ち」
「なんでそんな強いの?」
俺とその友達、翔太は自作の戦略ゲームを遊んでいる。
周りは和気あいあいと話している中俺たちは自作の盤とその駒を動かしている。
なにか浮いている気がする。
そして翔太がもう一回始めようと駒を動かしていて、俺も準備をしながら雑談をする。
「そういえばさ、二か月前ぐらいから俺の家の近くに変なおじさんが野宿してたんだけど、なんとなく話してみたらそのおじさんの話が面白くてさ。
内容はラノベみたいな話で現実じゃないような気がするんだけどなんだか現実味があってさ。
でも最近いなくなってしまってちょっと残念という」
「どんな話だったの?」
そしてどんな話だったか話していると結構早く昼休み終了のチャイムがなった。
放課後になって部活の剣道を始める
部活といってもうちは弱小校なのであんまり厳しくはない
「小手!!!」
俺はそう叫ぶが、まさかの相手の胴着にすらかすりもしなかった。
そんなことある?
「逆にすげぇよ。あそこで小手外すの」
剣道部の部活中、友達とそんな会話を交わす。そして、全然褒められていない。
うちの剣道部はとても緩い部活なのだ。
「すり足が、苦手なんです」
俺は、必死の言い訳をしておいた。
季節は夏、胴着の中は汗だくの男が一人入っている。道場にはそんな人が十人ほどいた。
「一応部活なんで、素振り百回してねぇ」
そんなやる気のない女性の人の声が武道場に響いた。剣道部の顧問だ。
俺はその場で素振りを始めた。さっきの友達との試合で疲れているので、ぜーはーぜーはと息が荒い。
そして周りと比べると遅い素振りが12回目ほどになったときに、少しの浮遊感が訪れて、少しの頭痛、そしてめまいがした。
そして少し視界が暗転すると、見知らぬところに居た。
周りにはほかの剣道部人たちやほかのバレー部やバスケ部の人たちがいる。
みんな部活の途中だったのだろうか、シュートのフォームの者やトスのフォームの者もいる。
長い部屋だった。だが横にも広い。
そして真ん中には赤いカーペットが引かれていてそして部屋の端には鎧を着た兵士らしき人達が等間隔で立っている。
そして前には外装が金でできているような感じの椅子に座っている王様らしき人がいた。50代ほどで太っている。頭が金髪で薄毛であと少しで禿げそうだ。そしてその王様らしき人の横には四人の女性がいた。全員杖を持っている。
そしてこの突飛な状況について教えてほしいので竹刀を地面において一つ質問をすることにした。
「ここはどこか、教えてほしいんだけど」
そう質問すると王様らしき人が答える。
「このわしと話すときは頭を下げて膝をつくのが常識だろう」
知れねーよそんな常識と思いながら俺は指示に従って膝をつき、頭を下げて再度質問する。
「ここはどこでしょうか、教えてください」
少し言葉遣いを丁寧にして質問する。
そして顔を上げると、王様らしき人が手招きをしていた。
俺は王様らしき人に念のためと思って竹刀を持って近づいていく。
だが竹刀を持ったのが間違いだった。王様らしき人の前に立った。
「不思議な物だな、少し触らせろ」
王様らしきひとは右手に持っている竹刀を指さした。
俺は竹刀を王様に差し出す。
王様らしき人が竹刀を触ったり見たりしていると、いきなり王様らしき人の隣にいた女性がいきなり叫んだ。
「陛下!危ないです。その物にはいけない魔力を感じます!」
よく分からないかったが、その言葉を聞くと王様は竹刀を投げ捨て、そして周りにいた兵士らしき人たちに声をかけた。
「そいつを殺せ!他国のスパイだ!」
その言葉を聞いて兵士らしき人たちが一斉にこっちに向かってくる。
俺はその言葉に動揺してあたりを見回す。
兵士たちとの距離がだんだん近づいてくる。
「王様、私はスパイなどではありません。見てたでしょ?私が突然ここに飛ばされたのを」
「そうやって私をだまそうとしているんだろ、わかってるんだからな」
聞く耳を持ってくれない。そして兵士たちとの距離もだんだんと近くなってきている。
確実に死ぬ。そう感じた。早く逃げないと、ていうかなぜこんなことになっているんだ。そんなことを考えながらも兵士たちはこちらに向かってくる。
足が震えて動かない。これから殺されるかもしれないというときはこんなにも足が震えて動かなくなるものだろうか。
一人に兵士が目の前に来て剣を横に振りかぶった。
そしてそれは、勢いよく近づいてきて、確実に俺の首をはねた。
===
ぼくは見ていた。
王様らしき人の頭に竹刀を叩きつけている小学校からの友達を。
そしてその友達が兵士に首を斬られいてる所を。
首から鮮血が飛び散って頭が地面に落ちていく。
その血は王様らしき人の服について、その兵士の防具にもついて、下にある赤いカーペットにもついた。
ここにいる全員が騒いでいた。
でもそんな中で王様は、ここに僕たちが連れてこられた理由を説明した。
「わしはこの国、アスルダルカ王国の王じゃ」
そして王様の自己紹介の後になぜここにぼくたちが連れてこられたのかを教えてくれた。
この国はいくつかの周りの国と戦争をしているとのこと。
そして昔、この国と周りの国などが一つの国として成立していたときに魔王とその部下的な存在である魔物という生物がいたらしい。
人類は絶滅するかと思われたが、その時に突然人々に職業というものが
与えられたらしい。
そして職業によってその職業に関する才能が秀でたらしい。
そしてその職業のおかげで魔王は倒されが、今もこの世界に生まれた者やこの世界に来た人達は職業を与えられれるらしい。
だが今現在は、各国がその職業を使って戦争をしているらしい。
だが、アスルダルカ王国は超大国らしく、他の国のほとんどが連合を組み、この国をつぶそうとしているとかそんな説明をしてくれていた。
だが、みんなそんな説明よりも目の前で人が首を切られて殺されている今の現状に恐怖を覚えていた。
ぼくも恐怖も感じながらだが、恐怖よりもさっきまで遊んでいた友達が目の前で
殺されて、泣かずにはいられなかった。恐怖ではなく悲しみだ。
そうすると、ひどい頭痛が襲ってきた。ここに連れてこられたときとは比にならないほどの頭痛だ。
周りにいる人たち全員頭を押さえている。
そして痛みで気絶しそうになって床をみたら、床に変な模様が描いていて、それが光っていた。
そしてぼくは気を失ってしまった。
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