第33話
ぼーっとゴルドラとワイアットさんの戦いを眺める。
まぁ、回避に専念するワイアットさんに対して一方的にゴルドラが攻撃を加えているだけで、戦っているというより追っかけているだけだけど。
「とったあーーーん!!」
「まちやがれぇえ!! 三枚におろしてやるぅーーー!! 」
アンキモ族の雄たけびが聞こえた方を見ると、あちらでは筋肉モリモリで露出度高めのビキニアーマーなおねーさま達がアンキモ族を追いかけていた。
平和だな。 相棒。
『何でデスカ』
今、思ったんだけどさ、この世界ってラノベでよく見かける、エロゲーかエロマンガ、小説の世界だと思うんだ。
『頭に異常がないが至急チェックするデス』
いやいや、相棒。
周りを見回して見るんだ! ここが戦場www
笑えるぐらい異常じゃないかww
全裸の少女を封じ込めた剣を振り回わす人化した竜に、男を追いかけるバニーな女、魚人に襲われて半裸で走り回る女戦士たち。
黒バニーにマウント取られて公衆の面前でいかがわしい行いを繰り返す勇者。
さらに、お持ち帰りされて、もっとディープにいかがわしいことを繰り返すんだよねww
おかしいよね! 俺も仲間に入れてほしいんだけど!! お持ち帰りされたいんだけど!!!
『あなたの記録を元に分析した結果、言いたいことはわかりましたデス。
しかし、ここはゲームの世界ではないデス』
ふーん。エロゲーじゃないなら、正義感あふれる程よいイケメンおにーさんと清廉潔白でツンデレお淑やかなお嬢さん達のパーティーが助け合いながら、魔王とか幹部と戦うべきだろ。
『あなたがそれを問題にするのデスカ? あと、勇者と戦いたいのでデスカ?』
いやいや、俺は平和を愛するジェントルマン。
戦いは好まない。 平和が一番。
『行動に矛盾があるデス。
平和を愛するなら目の前にいる勇者が停戦と結婚を求めてきたのに、なぜ拒否したのデスガ?』
男だからだよ!
もし、たとえば結婚を求めてきた勇者が剣の中に閉じ込められたらラファさんだったら、十分検討というか、即オッケーしてたぞ?
『・・・
あなたのはエロゲ世界からきた魂なのかもしれないデスネ』
あははははは、相棒!
その冗談最高だよ!
『・・・』
はっ!!! いま、俺はとんでもない事実に気付いた!
『何デスカ』
この世界、男女比がおかしくない?
1対10ぐらいで女子が多すぎる気がするというか、周り女の子だらけで、男子がすくない!
『それはここだけです。 世界全体でそこまで差は無いはずデス』
あ、やっぱり差があるんだ・・・
女子が多い世界におっさんがTS転生って一体どんな需要があるんだ?
俺は悲しいよ!
普通はリビドー漲る10才台の容姿が整った少年に転生すべきだろ!
そしてふつーに女子に接するだけで、惚れられて、チヤホヤ、モテモテされるんじゃないのか!
『怒っているのデスネ。
そういえば、お持ち帰りされた男性勇者はレムヲンと一緒に黒兎族と子孫繁栄していると思われますデス。
あなたは見た目麗しい少女になって残念でしたデスネ。』
はぁ?
相棒・・・
・・・
・・・
ぐぬぬぬ。
いらぁぁああああ!!!!
おおおおおお、おまー--えー---!!!!
この世界の異常性と主に俺が受けている理不尽な現実に付いて、相棒と脳内討論をしていると、辺り少し暗くなった。
周りを見ると、再生中の動画を一時停止したように、動きがとまっている。
あー-ん? 相棒、また時間を進めるの遅くしたのか?
『違いますデス。 後、時間が進むのが遅くするのではなく、この体が高速に動くようにしているのデス』
それ身体強化系のチートだよね、こういうのは俺が使いたい時に使えるようにしてほしいな。
『不可デス』
チッ!!!
「うふふふふふふ、うふ、うふふふふふふふふ」
む? ミリアさんのおかしな笑い声が聞こえる。
『どうやら来たようデスネ』
声がするほうを見ると、ミリアさんが両手にどこかで見たことのある長さが異なる二本の細剣を持ちながら空中で制止して俺を見下ろしている。
おいおい、相棒。 ミリアさんが警戒すべき敵なの?
お前の方が頭のチェック必要なんじゃないのか?
『あの吸血鬼をのっとっているようデスネ』
ふー--ん。
って、おいいいいい!
「あらあら、お久しぶりですね。
うふふふ、さすがに怖いくらい警戒しているようですね。
賢明です。
私は今、愚かな背信者の言葉で大変の不愉快です。
少し憂さ晴らしをさせていただきますね」
はぁ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます