第7話

金色の龍が住むミドッド山の頂に5人の人影があった。


一人目は金色の鱗の女

二人目は四本腕の大男

三人目老いた鬼人の男

四人目は黒兎人

五人目は吸血鬼の男(ボールド)

である。


鬼人「ボールド。 急に我らを召集するとはなにがあったのかの~」


金龍「うむ、ルゥイに会う前に話さなければならないという、重要な話とは何なのじゃ?」


兎「うふふ、あたし知ってるぴょーん」


金龍「おい、アレクサはどうしたのじゃ」


兎「お母様は、妹達と一緒に新しいおもちゃで遊んでいるぴょん。」


ボールド「あー、アレクサはどう思っているんだ?」


兎「そうねぇ。 あの人間の女に嫉妬しまくりぃ。 相当拗ねているぴょん」


ボールド「ルゥイのことなのだが?」


兎「ボールドちん、バカなの?」


ボールド「ああん?」


兎「今、嫉妬しまくりぃって言ったぴょん。

別人のような人格になったぐらいでルゥイ様への愛はかわらないぴょん」


ボールド「そ、そうか」


ボールドが目を閉じ思案し始めると黒兔人のうさキックがボールドに入り岩壁に蹴り飛ばされた。


兎「それとぉ、あの人間を切り裂いた時はぁ、ボールドちん男前ぇと思ったけどぉ、ルゥイ様が回復させて残念だったぴょん」


ボールド「貴様ぁ」


兔「問題はその後、なーんで余計なことするかなぁ」


赤龍「そこまでじゃ!」


鬼人「喧嘩はわしらへの話が終わった後にせい!」


大男「・・・」



鬼人「つまりルゥイ様は別人のように丸くなられ、あれほど目の敵にしていた人間族を許したということかの?」


金龍「まぁルゥイと人間族の事などどうでもよいのじゃが、問題はダライア・グレゴリー報復戦じゃな。

討ち取られたあの魔王どもの報復の為に叔父上は全魔王に召集をかけたみたいじゃ」


大男「・・・」


ボールド「今のルゥイが行けばローフル陣営に寝返りかねん」


金龍「ははは、いくら何でもそれはないじゃろう」


兔「んー 間違いなく寝返るぴょん」


金龍「そんなはずは・・・」


ボールド「我がルゥイの名代として参戦するつもりだ。」


鬼人「ふむ、儂も行こうかの」


兔「うわ、食材確保? ルゥイ様にチクッちゃうぴょん」


大男「ボールド・・・」


ボールド「どうした?」


大男「処女・・・だと? それは本当なのかぁ!!!!!」


ボールド「う、うむ、しかも赤子のような匂いもした・・・」


兔「ルゥイ様が気を失っている間に、メイド長も直に確認したぴょん」


大男「処女・・・赤子・・・ う、う、うぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

大男が雄叫びをあげて、山を駆け下りてゆく。


鬼人「むぅ、い、いかん! あやつルゥイ様を襲いに行くつもりだ! 取り押さえよ! 」


金龍「わらわは嫌じゃ! あやつは、昔から気持ち悪いのじゃ!!!」


兔「わたし、むりぃ、死んじゃうぴょん」


鬼人「ボールド!」


ボールド「わかっておる! 行くぞ!!」


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 あー、目が覚めると、暖かいベッドの中にいた。


そして横を見るとネグリジェを着たミリアさんがスヤスヤと眠っていた。


ちなみに俺とおそろいだった。


 相棒・・・


『どうしたのデス』


一応聞くけど、ミリアさんどうして生きているのかな?


『喜怒哀楽の哀の再生の力で回復したデス』


あー、やっぱり気を失う直前に回復できそうな予感がしていたんだ。


だが、問題は、ミリアさんの首筋になーんか吸血鬼に噛まれたような痕があるんだけど・・・

んでもって、八重歯がちょっとおっきなぁと思うんだ。


『あの吸血鬼が眷属にしたようデス』


 そ、そっかぁ。


 相棒、お前はあの時右手に出てきた小剣になることができるの。


『YESデス』


相棒使えば、周りに迷惑かけずに吸血鬼とかサクッと退治できるよね


『不可デス』


え!? なんで!


「失礼します。 お目覚めの様ですね。」

などと考えていると、羊のメイドがどことも無く現れた。


ちょっと驚いたが、コクリと頷く。


「ボールド様からのお手紙と贈り物を預かっております。」


手紙を渡されたので、受け取った。


とりあえず読めるかどうか不安だったが。なんとか読めそうだ。


最初は見たことの無い文字だったんだが、徐々に日本語に変わっていく。


相棒、なんで日本語?

徐々に変わっていくってどういう原理?


『言語理解はコモン語を日本語に変換して見せているデス。

あなたの頭では変換に時間がかかるため徐々に目に見える文字が変わっていくのデス』


変換しているの?

っていうか、ちょっとディスられてない?


じゃあ、うまく喋れないのも言語理解が遅いせい?


『日常生活に困らないレベルが限界デス。

流暢に喋りたいのなら、言語理解を止めて、コモン語の学習をお勧めしますデス。』


勉強とかいやっす!


『日本語のコモン語への変換に関しては、記憶をベースにある徐々に最適化が進んでるデス』


うむ。さようか・・・。


まぁ、手紙読んでみるか


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前略

まずは偽物と勘違いし、襲ってしまった事を詫びる。


我はピッチなお前が処女など、たちが悪い冗談だと思った。

だが我の嗅覚に間違いはない。

どうやって処女になったのか今度詳しく教えるように。


 貴様があの小娘に対して本気なのはわかった。

我は大人しく身を引く事にする。

人間の寿命は短い。

この娘が老い、朽ちていく様を見るのは辛かろう。

我の眷属にし、眷属支配は解除しておいた。

首筋をちょこっと噛んだだけで他は手を出してないから安心するように。


詫びだと思ってくれ。


 あと、一つ注意しておきたいことがある

この娘、生娘なのに『大性豪』の称号をもっておった。

これは絶倫の者が性による快楽を極めし時に稀に得られる物だ。


吸血鬼でこの称号を持つ者は血を吸う量も底無しになるので早い段階に封印処分するのだが・・・


大変だとは思うが、お前なら大丈夫だと信じている。


最後に我からの詫びの品を送っておく。

足らなくなった連絡するように。


貴様の元恋人 ボールドより


草々

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読み終わると羊のメイドが台車で大きな樽となにか生き物が入った瓶が大量に運び込まれてきた。


 なぁ、相棒。

色々元人格ちゃんに付いて問いただしたいことがある。

特に元恋人ボールドって、一体どんな趣味してるの!


あと、吸血鬼とのプレイって、やっぱり血を吸われているんだろ!

俺の元いた世界では、血を吸われると失禁するぐらい気持ち良いって言う説があるんだ。

元人格ちゃんは気持ち良いって言ってた!?


ああ、でも、今は痛覚耐性ないんだよな!

痛くて気落ちいいは、アウトだから!


そこんとこ詳しく教えて!


いたいの?

苦しいの?

逆にスッゴい気持ちいいの!?


『あなたの記憶の中に個人情報保護というものがありましたデス。

これにはとても感銘を受けたデス。

これから令和日本の分析するので、しばらく一人で頑張るデス』


お、おい、相棒!

お前、個人情報を語るなら俺の記憶も見るなよ!


・・・

ちっ! 反応がない。


 ま、まぁいい。

ミリアさんは吸血鬼で大性豪で処女! しかも底無し!!

ボールドのやつ、わかってるではないか。

記念すべきハーレム一号だし、あのレムヲンとかいう勇者には負けられねぇからなぁ。


 羊のメイド達が一礼したあと、部屋から出て行く。

『ガチャリ』と扉がしまると、突然起き上がったミリアさんに押し倒された。


うは!

キター

ワクワクドキドキ! ワクワクドキドキ!


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