9.デザストと剣斬(仮面ライダーセイバー)(その4)

 こうして第43話は終了したわけですが、出番の終了した役者さんたちのクランクアップ報告が続く中、デザスト役(声)の内山昂輝さんからはありませんでした。

 そして第45話(45章)。仲間のもとに合流し、最終決戦に挑む蓮。その前に立ちふさがったのは、復活させられた賢神。剣士たちの技を産み出した存在であり、それ故に剣士の技が通用しない難敵です。

 しかし剣斬はデザストの技であったカラミティ・ストライクのアレンジ技で賢神を倒します。最後にはデザストが姿を現し、剣斬と敵を挟み撃ち。二人が交差する瞬間、デザストのふっと笑う声が聞こえます。

 そして敵が倒れると同時に、デザストが消滅。漣が腰にしていたデザストのマフラーとライドブックも緋色の灰となって消滅。これでデザストが完全に消滅したのです。

 蓮は遠くを見つめる目で、しかし何も言いません。既に言うべきことは尽くした、のでしょう。

 この回の放送後、内山昂輝さんからクランクアップの報告がありました。



 蓮とデザストの物語はこうして終わりました。

 この後、仮面ライダーセイバーの物語も最終決戦からの大団円を迎えるのですが、それについては此処では触れません。

 作品自体には色々もう少しこう、という意見もありますが、物語の意味をうたい上げたクライマックスには、(ベタではありますが)ぐっとくるものがありました。


 本稿では、あの回の感動を何度も脳内で言葉に変換し、反芻していた衝動をアウトプットによって成仏させたく書き出しました。

 ネット上でこの話の後、二人の関係性の掘り下げが足りないから感動できない、という声を見たのですが、演者(どちらにも二人いる訳ですが)の熱演で、多少の説明不足があったとしても私にとっては問題となりませんでした。

 また、暗い工場に外から差し込む光を効果的に使うなど、演出も明確な目的で構成されていました。


 近年の東映特撮は様々な挑戦を見せてくれます。NHKと共同制作したドラマ『スローな武士にしてくれ』を見た後は、余計にそれを意識するようになりました。

 長回しで建物に飛び込んでから二階の窓から飛び出して着地するまで敵味方入り乱れてのワンカットとか、広場でカメラを360度回しながら手前でヒーロー・怪人、遠くでロボット同士の戦いを同時進行とか、ドローンで脚の間をかいくぐりながら(多分)の撮影とか。

 CG頼りの弊害もなくなってはいませんが、生身アクションの快感追及も決して忘れていない、その姿勢が好きです。

 これからも、貴重な一年連続ドラマとして演者の成長と共に、スタッフと演者全員による新しい映像への挑戦を楽しみにしています。


(そいやキラメイジャーのサブタイトルで『アローな武器にしてくれ』ってのがありましたっけねw)


(終わり)

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