7.デザストと剣斬(仮面ライダーセイバー)(その2)
ラスボスや主人公と戦ったデザストは、体に傷を負っています。一人になって傷を癒そうとしているのですが、治りきりません。本が傷ついたため、限界が近づいていたのです。
蓮はそれを遠くの物陰から見ていました。彼はその前に、二人で豚骨カップラーメンを食いながら、言っていたのです。
「お前は気楽でいいよな。死んでも復活するし」
こんな事を言う蓮は気を許してもいるし、甘えてもいるのでしょう。またはたから見れば絶対にデザストが気にしているであろう地雷を踏みぬくあたり、人としてまだ幼いという事でもありましょう。
そんな蓮がデザストの最後が近づいていると知り、廃工場らしき場所でたたずむデザストに最後の戦いを挑みます。彼に、彼が望んでいる戦いの中での最期を与えるために。覚悟を決めて。
いや、そう見えただけでした。やはり剣斬はデザストにかなわず、苦し紛れに他のライダーの技を繰り出してしまいます。見よう見まねでそれが出来るのも彼の天才なのでしょうが、この場でそれは付け焼刃にしか過ぎない。
デザストは心底落胆し、剣斬を倒します。変身が解けた蓮は自らの弱さを悔やんで叫びますが、その顔をデザストの剣が掠めます。
蓮の頬に滲む血。それに手で触れ、赤い指先を見た彼の顔に恐怖が浮かびます。
ここでまた余談になりますが。
剣をテーマにした作品でありますが、同時に子供向けのオモチャを売る作品として、「剣で人の肉体が斬られる」という表現を基本的には避けています。これはやむを得ない事ですし、昔のテレビの時代劇などでも流血しない作品は珍しくありませんでした。
だからそれが悪いとも思わないのですが。
それでも毎回のように、
→主人公たちが斬られる
→火花が散って吹っ飛ぶ
→変身が解けた状態で地に転がりのたうち回る
(顔に多少赤い擦り傷的なものがついてる)
→ひとくだりあって再び立ち上がって再び変身し……勝つ
というようなパターンが多いと、チャンバラである意味って? とは思ってしまいますね。
それだけに、この蓮の流血シーンは(流血と言っていいのか少し悩むくらい少量の血なんですが)インパクトがありました。
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