252話 恐怖の象徴-3

「まぁいいか……。ガルド、ルーシーの面倒をしっかり見るんだぞ」


 俺はルーシーの顔をチラリと見てから、ガルドに言う。


「あ、ああ! 任せてくれよ! この命に代えても、ルーシーの姉御は守ってやる!!」


「頼むぞ。万が一、お前が彼女にまた手を出すようであれば……生まれてきたことを後悔させてやる」


「あ、ああ! 分かってるよ! もうしないって! つーか、アレがなくなったからもうできねぇし!!」


 ガルドがそう言う。

 確かにそうだ。

 ガルドがルーシーを襲おうとしても、ナニがなければ行為に及ぶことはできない。

 女性同士でできることは限られている。

 そういう意味では安全だ。


「じゃあな、ルーシー。安静にしていてくれ。ガルドが役に立たないようなら、他の奴を来させるから。遠慮なく言ってくれよ?」


「は、はい……」


 ルーシーは頷くと、俺の視線から逃れようとするように俯く。

 俺は彼女を怖がらせることはしていないのに……。

 時間が解決してくれるのを待つしかないか……。

 俺はそんなことを考えながら、ルーシーの部屋を出る。

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